プログラミング第二(社工)   Social System Programming

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担当教員
渡辺 理 
使用教室
金8-9(西9-508電算室)  
単位数
講義:1  演習:1  実験:0
講義コード
7726
シラバス更新日
2010年10月18日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:4

講義概要

本講義では,社会システムの設計,構築,運用のサイクルをまわすために必要な技法の基礎を習得し,実践練習を行う。本講義で定義する社会システムとは,社会における人間行動をITシステムやコーディネータの介在によって支援するサービスシステムのことを指す。本講義において目標とする開発能力は,柔軟なシステムを設計する能力と,アイデアを明確化する能力,及び,人間系を含むシステムの状態を把握する能力の3つである。
まず,業務システムの概要を習得し,システム設計に必要なオブジェクト指向やデータモデリング,EA等の方法論と,標準的な図法であるUMLの基礎を習得する。次に,発想支援法と特許記法を習得する。その後,社会システムにおける人間の相互作用を捉える方法論と技法を習得し,最後に,実システムの事例検討を行う。社会システムのコンセプトデザイナーや,上流のITアーキテクト,SE,コンサルタント等に興味のある学生を受講対象と想定する。

講義の目的

本講義の目的は、狭義のプログラミング技術の習得ではなく、人間の潜在能力が相互交感される新しい社会の姿を構想し実現する力の涵養(≒文理両道)にある。そのためIT分野におけるオブジェクトモデリングや上流の設計図法、計算技法の基礎を学ぶとともに、社会科学(哲学,精神医学,文化人類学等)で発達した人間理解の方法にも触れる。参加者の思考力・対話力を鍛えるべく各方面で活躍中の外部講師に来て頂き、現場で培った話題の提供を受けてグループワークに取り組み、気づきの触発力を養う。
・ 本講義が目指す開発能力は(1)社会システムの構想力と(2)システムの状態を識る力、及び、(3)創発する力(=f(想像力,共感力,内省力,粘り・・))である。
・ 本講義で定義する社会システムとは、社会における人間の活動をコーディネータの介在やITによって支援するサービスシステムのことを指し、生活世界も勘案したものとする。
カリキュラムは、まずシステムの概要と図法(UML等)の基礎を習得する。続いてプログラミング言語Rによる数値計算やペルソナ法等の質的分析により分析法の基礎を習得する。最後に様々な視点から社会システムに関するグループワークを行う。キーワードは社会的相互作用*である。
コンセプトデザイナーや上流工程のSE、コンサルタント等に興味があり、社会工学的な研究を志向する学生を受講対象と想定する。 (* 相互交感する力)
受講希望者が30名を超える場合は社会工学科2年次の学生の受講を優先せざるを得ないが、他学科からの受講も歓迎する。課題先進国日本の将来像を考えたい人、社会工学の意味を考えたい人は是非参加されたい。

講義計画

No 金曜 講義時間 区分 タイトル 案
1 10/1(金) 2.0h 基礎 社会工学とIT 社会工学とは何か?社会システム、ITの概要
2 10/8(金) 2.0h 基礎 図法1 シーケンス、オブジェクト、ユースケース、状態遷移
3 10/15(金) 2.0h 基礎 図法2 クラス、画面遷移、簡単設計
10/29(金) 1.5h 基礎 特許と創造 創造性、篠原昌彦弁理士、松本安英主任研
4 11/5(金) 休講 基礎 上流システム等
(1~3回で吸収) 組織、SE,生産システム
科学、技術、倫理など
5 11/6(土) 集中講義1.5h 基礎 プログラム計算 分析概論、プログラミング言語Rの基礎
6 11/6(土) 集中講義1.5h 基礎 プログラム計算2 R、社会ネットワーク分析、空間的自己相関分析
7 11/6(土) 集中講義1.5h 基礎 地域振興ペルソナ サービス過程、質的分析、ペルソナ法
8 11/6(土) 集中講義1.5h 応用 身体と心 身体論、剥き出しの生、実習。渡辺紀子講師
9 11/12(金) 1.5h 応用 家族というシステム 相互作用、システミック、生田倫子講師
11/19(金) 休講
11/26(金) 休講
12/3(金) 休講
10 12/10(金) 1.5h 応用 コミュニケーション 高齢社会~社会不安に備える。傾聴、仙石智子講師?
11 12/17(金) 1.5h 応用 環境と美学 環境照明、澤田隆一照明デザイナー
1/7(金) 休講 応用
12 1/21(金) 1.5h 応用 表現アートセラピー 流動性。表現アートセラピー。小野京子講師
13 1/28(金) 1.5h 応用 国民共通番号 国民共通番号。富士通公共コンサル榎並さん。

1 10/2 社会システム概論 社会工学とは何か?社会システム、IT概要
2 10/9 UML演習 シーケンス、オブジェクト、ユースケース、状態遷移
3 10/16 UML演習 クラス、画面遷移、簡単設計
4 10/30 業務システム検討 組織構造、SE,生産システム、マーケティング、会計
5 11/6 特許創造演習 篠原昌彦弁理士、松本安英主任研
6 11/13 サービス科学への挑戦 生田倫子先生?
7 11/20 システム分析 人間中心設計、定量分析概論、Rの基礎
8 11/27 システム分析 プログラミング言語論、R、空間的自己相関分析
9 12/4 システム分析 社会ネットワーク分析、ペルソナ法サービス設計
10 12/11 環境アート設計 環境照明、澤田隆一照明デザイナー
11 12/18 教育触発設計 教育モデル、互学互習。身体論、渡辺紀子講師
12 1/8 協働事態設計 社会美学、表現アートセラピー。小野京子講師
13 1/22 ライフプランニング設計 経済モデル,高齢社会~社会不安に備える。奥田FP
14 1/29 地域公共空間設計 富士通公共コンサル榎並さん。コミュニティレストラン。
15 2/4 試験 簡単な確認試験
 

教科書・参考書等

教科書:基礎UML(インプレス2600円)
参考書:UMLモデリング入門/日経BP(2400円)
参考書:オブジェクト指向モデリングセルフレビューノート(2800円)
参考書:業務システムのための上流工程入門(2400円)
参考書:Rによるデータサイエンス(3600円))
参考書:価値創造学/福田収一(2500円)
参考書:論力の時代/宮原浩二郎(1900円)

参考書:価値創造学/福田収一(2500円)
参考書:論力の時代/宮原浩二郎(1900円)

関連科目・履修の条件等

特になし。土曜日の集中講義を予定しています。これに出てもらいたいです。

成績評価

毎回の出席(80%以上)と課題提出、演習への積極的な参加、最終試験(必須。25%)。

担当教員の一言

意欲のある方の参加を期待します。知の力を楽しんでほしい。

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