近代建築史   History of Modern Architecture

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担当教員
藤岡 洋保 
使用教室
木3-4(M011)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
7605
シラバス更新日
2015年3月16日
講義資料更新日
2015年3月16日
学期
前期  /  推奨学期:3

講義概要

欧米における近代建築や都市計画について,それを支えた思想にも留意しつつ講ずる。それを通して、どのような経緯を経て今の建築があるのか、建築のデザインをするためのさまざまなアプローチの方法を学び、これからの設計のスタンスを考える手がかりを考えることを目的とする。講義時間の最初に出される筆記式の小課題(10分以内に書いて提出)の点と、期間内に課されるレポートの点を合計して評価する。

講義の目的

19世紀、20世紀の欧米の建築や都市計画の歴史を紹介する。 特に形に関して建築家が提案したさまざまなレトリックと社会・思想との関係に焦点をあてて論じる。

講義計画

目 次(講義概要)

1.「近代」という時代
1・1 啓蒙思想の影響
1・2 都市問題
1・3 「国民国家」という枠組み

2.時代の変化と建築表現
2・1 ビルディング・タイプの多様化
2・2 「新しさ」という価値 ― アール・ヌーヴォー ―
2・3 構造技術とデザイン ― シカゴ派 ―

3.都市計画の提案
3・1 ユートピアンの提案
3・2 パリ改造計画
3・3 田園都市
3・4 アメリカの都市
3.5 工業都市計画

4.「機械」の美学
4・1ドイツ工作連盟
4・2 テクノロジーとデザイン
4・3 バウハウス
4・4 ル・コルビュジェ
4・5 CIAM
4・6 インターナショナル・スタイル
4・7 アール・デコ

5.「自然」をモデルにする建築
5・1 表現主義
5・2 有機的建築

6.「伝統」のデザイン
6・1 「伝統」という新しいテーマ
6・2 イデオロギーの表現 ―国家を飾るデザイン―

7.技術の発展と表現
7・1 高層ビルの建設
7・2 技術の発展とデザイン
7・3 戦後のル・コルビュジェ
7・4 「反建築」
7・5 戦後の都市計画

8.相対主義的思考
8・1 ニュー・ブルータリズム
8・2 空間の差異化
8・3 地域性及び多様性への関心
8・4 ポスト・モダニズム

9.建築のあり方への関心
9・1 レム・コールハース
9・2 「建築」の概念の拡散と「構成」への関心
9・3 「have toの建築」から「can beの建築」へ

教科書・参考書等

教科書(授業に持参すべきもの)
・藤岡洋保『近代建築史』(森北出版、2012、第1版第2刷)定価2600円(生協で購入可)

参考文献(通史関係)
・『新版 空間・時間・建築』G.ギーディオン著/太田実訳、1969
・『近代建築の歴史』(上下)L.ベネーヴォロ著/武藤章訳、鹿島出版会、1979
 ……2004年に上下巻を合本にして同社から復刻
・『現代建築の潮流』V.M.ランプニャーニ著/川向正人訳、鹿島出版会、1985
・『近代建築の系譜』(上下)W.カーティス著/五島朋子ほか訳、鹿島出版会、1990
上記の原本 Curtis, W; Modern Architecture since 1900
 (Phaidon, 1982, 87, 96)
・『新建築学体系 近代・現代建築史』鈴木博之・山口廣著、彰国社、1993
・『近代建築史』桐敷真次郎著、共立出版、2001
・『現代建築史』(K.フランプトン著/中村敏男訳、青土社、2003)
上記の原本 Frampton, K; modern architecture, a critical history (Thames & Hudson, 1992)

関連科目・履修の条件等

特になし。建築学科の必修科目なので、同学科学生は申告を忘れないこと。

成績評価

各回の講義最初に出される、筆記式の小課題の提出(200字)と、下記のレポート課題をもとに評価。この小課題は、教科書『近代建築史』の章末にある課題の中から、第3回の講義からその開始時に1問提示されるもので、10分間で解答し、提出することが求められる。この小課題は10回連続して提出することになる。それぞれの解答は3点満点で採点する。レポートは70点満点で採点し、それらの合計点を評価とする。

近代建築史を学ぶ意味
近代建築史を学んだことを通してその今日的意味を考える。タイトルは内容にふさわしいものをつけること
2000字程度(適宜、図を併用してよい)
〆切/2014年7月14日(月)5:00p.m.
提出先/緑が丘3号館205号室
注意/引用であることを断らずにインターネットなどからコピーしたレポートは採点対象にしない。

〆切/2013年7月15日(月)5:00p.m.
提出先/緑が丘3号館205号室
引用であることを断らずにインターネットなどからコピーして作成したレポートは採点対象にしないので、注意すること

担当教員の一言

講義の終わりに質問の時間を設けるので、そこでの質問やディスカッションに前向きな学生を歓迎します。都市や建築の現状についての問題意識を持ち、自主的に学ぶ学生を、そしてレポートでは、既知の情報を並べるだけで満足するのではなく、自の意見を論理的に展開できる学生を高く評価します。

連絡先(メール、電話番号)

fujioka.h.aa@m.titech.ac.jp

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