近代建築史   History of Modern Architecture

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担当教員
藤岡 洋保 
使用教室
木3-4(M011)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
7605
シラバス更新日
2011年4月11日
講義資料更新日
2011年3月23日
学期
前期  /  推奨学期:3

講義概要

欧米における近代建築や都市計画について,その背後の思想にも留意しつつ講ずる。講義期間中に課される2回のレポートをもとに評価する。

講義の目的

19世紀、20世紀の欧米の建築や都市計画の歴史を紹介する。 特に形に関して建築家が提案したさまざまなレトリックと社会・思想との関係に焦点をあてて論じる。

講義計画

目 次(講義概要)

1.「近代」という時代
1・1 啓蒙思想の影響
1・2 都市問題
1・3 「国民国家」という枠組み

2.時代の変化と建築表現
2・1 ビルディング・タイプの多様化
2・2 「新しさ」という価値 ― アール・ヌーヴォー ―
2・3 構造技術とデザイン ― シカゴ派 ―

3.都市計画の提案
3・1 ユートピアンの提案
3・2 パリ改造計画
3・3 田園都市
3・4 アメリカの都市
3.5 工業都市計画

4.「機械」の美学
4・1ドイツ工作連盟
4・2 テクノロジーとデザイン
4・3 バウハウス
4・4 ル・コルビュジェ
4・5 CIAM
4・6 インターナショナル・スタイル
4・7 アール・デコ

5.「自然」をモデルにする建築
5・1 表現主義
5・2 有機的建築

6.「伝統」のデザイン
6・1 「伝統」という新しいテーマ
6・2 イデオロギーの表現 ―国家を飾るデザイン―

7.技術の発展と表現
7・1 高層ビルの建設
7・2 技術の発展とデザイン
7・3 戦後のル・コルビュジェ
7・4 「反建築」
7・5 戦後の都市計画

8.相対主義的思考
8・1 ニュー・ブルータリズム
8・2 空間の差異化
8・3 地域性及び多様性への関心
8・4 ポスト・モダニズム

9.建築のあり方への関心
9・1 レム・コールハース
9・2 「建築」の概念の拡散と「構成」への関心
9・3 「have toの建築」から「can beの建築」へ

教科書・参考書等

教科書(授業に持参すべきもの)
・藤岡洋保『近代建築史』(森北出版、2011)定価2600円(生協で購入可)

参考文献(通史関係)
・『新版 空間・時間・建築』G.ギーディオン著/太田実訳、1969
・『近代建築の歴史』(上下)L.ベネーヴォロ著/武藤章訳、鹿島出版会、1979
 ……2004年に上下巻を合本にして同社から復刻
・『現代建築の潮流』V.M.ランプニャーニ著/川向正人訳、鹿島出版会、1985
・『近代建築の系譜』(上下)W.カーティス著/五島朋子ほか訳、鹿島出版会、1990
上記の原本 Curtis, W; Modern Architecture since 1900
 (Phaidon, 1982, 87, 96)
・『新建築学体系 近代・現代建築史』鈴木博之・山口廣著、彰国社、1993
・『近代建築史』桐敷真次郎著、共立出版、2001
・『現代建築史』(K.フランプトン著/中村敏男訳、青土社、2003)
上記の原本 Frampton, K; modern architecture, a critical history (Thames & Hudson, 1992)

関連科目・履修の条件等

特になし

成績評価

下記のレポート2つをもとに評価

以下のレポートを2つとも期限内に提出することをもって単位取得の意志があると見なし、50点満点ずつで採点し、集計する。

a)以下の1)~3)は建築史上著名な住宅を2つずつ並べたものである。その中から1つのテーマを選んで、その対比を解説しつつ、その対比を通して各自が得た、住宅の設計のやり方についての注目点について語る。対比の意味をどこに見るか、それを手がかりにどのような見方を提示できるかが評価のポイント。タイトルは内容にふさわしいものを各自考えること。
1)ヴィラ・サヴォア(1931)と落水荘(1936)
2)ヴィラ・サヴォア(1931)とファーンズワース邸(1950)
3)落水荘(1936)とヴィラ・マイレア(1939)
400字5枚程度(適宜、図を併用してよい)
〆切/2011年6月3日(金)5:00p.m.
提出先/緑が丘3号館205号室

b)近代建築史の知見をもとにいまの建築を考える。
近代建築史の知見をもとにいまの建築の状況についての見解を述べる。特に下記の教科書の第9章を踏まえて、いま建築が置かれている状況を、具体例を挙げながら、考える。タイトルは内容にふさわしいものを各自考えること。
400字5枚程度(適宜、図を併用すること)
〆切/2010年7月4日(月)5:00p.m.
提出先/緑が丘3号館205号室
引用であることを断らずにインターネットなどからコピーして作成したレポートは採点対象にしないので、注意すること

担当教員の一言

現在の都市や建築についての問題意識を持ち、独自の意見を論理的に展開できる学生を高く評価します。

連絡先(メール、電話番号)

fujioka.h.aa@m.titechac.jp

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