I 本講義の前半では,社会科学の領域で取り扱われている「社会的ジレンマ」を解説し,「環境ジレンマ」の理論的取り扱いを紹介する。その上で,いくつかの具体例を提示し,環境ジレンマ解消,合意形成のための社会的処方箋を用意する理論的・実践的アプローチを講述する。
II 1. 環境政策と社会心理学 2. 社会的ジレンマ 3. 心理過程の基礎理論 4. 理論仮説と実証分析
工学と環境とに関連する諸問題は,社会学,政治学,社会心理学, 経済学などの様々な社会科学の領域で定義される「社会的ジレンマ」の典型例であることを体系的に理解させる:
1.講義前半では,環境問題に関わる社会的ジレンマ,すなわち,環境ジレンマに関する一般的性質を理解することができるようになることを目指す.
2.講義後半では,環境ジレンマ解消に向けた社会的な「処方箋」を模索するための理論的かつ実践的な取り組みに関する基礎知識を得ることを目指す.
01. 環境問題の社会的側面、社会的ジレンマの概要(室町)
02. 社会的ジレンマ状況下の意思決定と行動(室町)
03. 協力行動への行動変容の基礎理論(室町)
04. 環境配慮行動への行動変容技術(1)(室町)
05. 環境配慮行動への行動変容技術(2)(室町)
06. 環境に配慮した規制的制度的政策の役割(室町)
07. 規制的制度的政策に対する心理(室町)
08. 環境ジレンマ構造を和らげる構図(屋井)
09. 個人効用と合理的選択、その限界(屋井)
10. 個人選好と投票のパラドクス(屋井)
11. 環境政策と環境ジレンマの事例(屋井)
12. 環境ジレンマと社会ジレンマに関する発表(屋井)
13. レポート・グループ作業(屋井・室町)
14. レポート・グループ発表(屋井・室町)※グループ発表
15.期末試験
藤井聡:社会的ジレンマの処方箋:都市・交通・環境問題のための心理学
なし
期末試験(80%)
レポート・グループ発表(20%)
関連する学習教育目標
A
http://www.cv.titech.ac.jp/class/objective_ug.html#kyouikumokuhyou(A)
E
http://www.cv.titech.ac.jp/class/objective_ug.html#kyouikumokuhyou(E)