回路理論   Circuit Theory

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担当教員
菅原 聡  中村 健太郎 
使用教室
木4-6(S221)  
単位数
講義:2  演習:1  実験:0
講義コード
7165
シラバス更新日
2014年10月2日
講義資料更新日
2014年9月18日
学期
後期  /  推奨学期:4

講義概要

Ⅰ 主として線形回路を学習した電気・情報系A課程の学生を対象とし,回路の時間領域・周波数領域動作の考え方と解析方法,回路の合成,分布定数回路の基礎を修得する。

Ⅱ 線形回路の時間応答(微分方程式とラプラス変換),回路関数の性質,2種素子回路の合成,フィルタの構成,分布定数回路の性質と解析方法など.

講義の目的

回路の時間領域・周波数領域動作の考え方と解析方法,各種回路の合成方法,基本的な分布定数回路の性質と解析法について修得する.

講義計画

01. 線形回路の基礎
   (線形回路の基礎,定常状態と過渡状態,集中定数回路と分布定数回路,線形性と時不変性,節点方程式と閉路方程式)

02. 線形回路の時間応答 微分方程式による解法(1)
   (回路方程式,直流RL・RC回路の過度応答,交流回路の過度応答)

03. 線形回路の時間応答 微分方程式による解法(2)/ラプラス変換による解法(1)
   (微積分回路の過度応答,ラプラス変換による過度応答解析,LCR直列回路の過度応答)

04. 線形回路の時間応答 ラプラス変換による解法(2)
   (単独波・繰り返し波入力の応答,インパルス・ステップ応答,たたみこみによる解法)

05. 回路関数の性質
   (テレゲンの定理,正実関数,リアクタンス関数の性質)

06. LC回路の合成
   (部分分数展開による合成,連分数分解による合成)

07. CR回路とLR回路の合成
   (CR・LR回路の性質,部分分数展開による合成,連分数分解による合成)

08. 二端子対回路
   (二端子対回路パラメータ,相互接続,相互変換,二端子対リアクタンス回路)

09. フィルタの基礎
   (フィルタの特性,最大平坦特性の設計)

10. フィルタの設計
   (各種フィルタの構成法)

11. 分布定数回路(1)
   (分布定数回路,電信方程式の導出,半無限長線路の特性)

12.  分布定数回路(2)
   (線路の従属接続と分岐,集中定数素子による終端と付加)

13. 分布定数回路(3)
   (有限長線路の解析)

14. 分布定数回路(4)
   (定常状態解析,分散特性,散乱行列)

教科書・参考書等

教科書:高木茂孝 『線形回路理論』 朝倉書店(同一内容の昭晃堂版もあります。)
参考書:日比野倫夫 「主に分布定数回路部分」,『電気回路B』 (インターユニバーシティシリーズ) オーム社

関連科目・履修の条件等

履修しておくことが望ましい科目:線形回路,フーリエ変換及びラプラス変換

成績評価

中間試験,期末試験,演習・出席による。
配点は,中間試験:約40%,期末試験:約40%,演習・出席:約20%

担当教員の一言

回路理論では,与えられた回路について過度応答を含めて解くこととだけでなく,与えられた仕様を満たすように回路を合成することも重要です.このために必要な解析方法や合成方法をこの講義で新たに導入しますが,この極めてエレガントな方法を通して,回路理論の面白さを理解してください.また,分布定数回路では,これまで習ってきたような素子や線路における電流・電圧だけではなく位置・距離も重要になります.この解析にも新たな方法を導入しますが,長距離にわたる電気信号の伝送から,微細な集積回路内における信号の伝搬まで実用範囲の広い重要な回路・概念であることを実感してください.

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