半導体物性 a   Semiconductor Physics

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担当教員
渡辺 正裕 
使用教室
火1-2(S622)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
7127
シラバス更新日
2011年10月3日
講義資料更新日
2011年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:4

講義概要

Ⅰ 半導体の入門として,エネルギーバンド,状態密度等,固体内電子の状態について学んだ後,
  キャリア分布則,固体の電気伝導理論について学習する.さらに,半導体中の電気伝導解析の
  基礎となる,キャリア連続の方程式について,応用例を通して学習し,pn接合の基礎的理解を得る.
Ⅱ 固体のバンド構造,井戸型ポテンシャル,周期構造中の電子,有効質量,キャリアの状態密度,分布則,
  真性キャリア濃度,ドーピング,移動度,ドリフト電流,拡散電流,再結合,バンド図,
  少数キャリア連続の方程式,pn接合,金属半導体接合など.

講義の目的

半導体工学の入門として,固体内電子のエネルギーや密度,分布則などについて基礎的な考え方を学んだ後,固体中の電気伝導理論について学習する.さらに,半導体中の電気伝導現象の基礎である,キャリア連続の方程式について応用を通して学習することにより,pn接合の物理と電気特性の基礎的理解を得る。

講義計画

01. イントロダクション ~現代のエレクトロニクスと半導体工学~
02. エネルギーバンドの形成:定性論,水素原子,分子から固体,金属・半導体・絶縁体
03. 固体のバンド構造Ⅰ:量子力学の基礎,パウリの排他律,無限のポテンシャルに閉じ込められた電子
04. 固体のバンド構造Ⅱ:周期構造中の電子,許容帯,禁制帯,有効質量,電子と正孔
05. 統計力学の基礎:キャリアの状態密度,分布則,フェルミ準位,真性キャリア濃度
06. ドーピング:不純物ドーピング,電子濃度・正孔濃度,温度特性
07. 電気伝導の基礎Ⅰ:ドリフト  ドリフト速度,移動度,導電率,抵抗率,ホール効果
08. 電気伝導の基礎Ⅱ:拡散    拡散電流,拡散係数
09. 少数キャリアの注入と再結合
10. 少数キャリア連続の方程式
11. 少数キャリア連続の方程式の応用: キャリアの生成と再結合,拡散と再結合,拡散長,ドリフトと拡散
12. pn接合: pn接合の形成とバンド構造,接合容量,電界印加時の接合容量
13. pn接合の電流電圧特性: 整流特性,電子電流と正孔電流
14. 金属半導体接合
15. 半導体の応用

教科書・参考書等

教科書:高橋清 『半導体工学』 森北出版
参考書:小長井誠『半導体物性』培風館

関連科目・履修の条件等

履修の条件:電磁気学Ⅰを履修していることが望ましい。
関連科目:化学第一,化学第二,物理学B,量子力学

成績評価

授業中の演習と中間・期末試験による.
配点は,演習20点,中間試験40点,期末試験40点.

担当教員の一言

固体の物性と電気伝導の原理を根本から理解し,半導体デバイス工学の基礎的事項に習熟することを目指します.演習を適宜取り入れ,学生諸君が実際に問題を解くことで主体的に理解を深める学習をサポートします.

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