I[講義の目的]
1. この講義は,いろいろな工学分野を専攻する学生に共通に役立つ電気の知識を工学的立場で与えようとするものである。それぞれのクラスで3名の教員が,アナログ回路,誘電体・絶縁体,ディジタル回路・通信の各分野を講義する。三つの内容は独立しているので学ぶ順番が異なっても問題はない。
II[講義計画]
1. アナログ回路:回路に電流が流れて,情報の伝送や光・熱の発生などの多彩な働きが得られる。ここでは回路の働きを理解するための基礎理論を学ぶ。
・オームの法則と電気回路・交流回路・複素数を用いた交流回路・増幅回路・電子回路とその応用
2. 電子物性(誘電体・絶縁体):真空の持つ電磁気学的性質を理解し,誘電体・絶縁体・液晶・半導体の物性を考える。
・電子物性の基礎・真空・誘電体・絶縁体・液晶・半導体
3. ディジタル技術:全ての情報を1,0で表現して処理するディジタル技術について,コンピュータ・通信の両面から基礎を理解する。
・論理関数の基礎・加算器・レジスタの論理動作・情報のディジタル化・ディジタル伝送
現代の工学を学ぼうとする者は,どんな分野を専攻するにしても,電気とその応用に関する基礎知識なしでは済まされなくなっている.この講義は,いろいろな工学分野を専攻する学生に共通に役立つ電気の知識を工学的立場で与えようとするものである.3名の教員が,誘電体・絶縁体(岩本),アナログ回路(水本),ディジタル回路・通信(酒井)を講義する.三つの内容は独立しているので,学ぶ順番が異なっても問題はない.
1.誘電体・絶縁体:電子物性論の基礎を学び,材料物性と電気電子工学との関連を学ぶ.
・電気を蓄積する.コンデンサCのはたらき(電磁気学)
・電気の流れを遮断する.電気絶縁R
・材料に蓄積した電荷の制御(分極現象の制御):液晶とメモリ
・材料を流れる電荷量の制御:界面電荷の輸送とFET
2.ディジタル技術:
・ディジタル回路:コンピュータのハード的面の基礎を学ぶ.
トランジスタのスイッチ動作,基本論理ゲートの論理動作,論理関数の基礎
加算器の論理動作,レジスタの論理動作,コンピュータの基本動作
・ディジタル通信:ディジタルネットワークの基礎を学ぶ
情報のディジタル化,標本化,量子化,PCM,DPCM,ハフマン符号等による圧縮
無線・光・メタリックの通信,ディジタル変調,誤り訂正符号の基礎、
コンピュータプロトコルへの応用
3.アナログ回路:回路に電流が流れて情報の伝送や光・熱の発生など,多彩なはたらきが得られる.ここでは回路のはたらきを理解するための基礎を学ぶ.
・オームの法則と電気回路(電圧と電流,オームの法則,キルヒホフの法則,直流回路,電力)
・複素数を用いた交流回路の表現(インピーダンスの複素表示,共振回路)
・増幅回路(オペアンプの特性,オペアンプと負帰還,オペアンプを用いた演算回路)
特に指定しない.必要な資料を講義にて配布する.
本講義は電気情報系以外の学生を対象としている.
期末試験により理解度を評価する.
【オフィスアワー】
メールにて面接時間を予約すること.