電力工学 I   Electric Power Engineering I

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担当教員
安岡 康一 
使用教室
木5-6(S222)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
7140
シラバス更新日
2009年2月1日
講義資料更新日
2009年2月1日
アクセス指標
学期
後期  /  推奨学期:-
補足資料

講義概要

I 電磁気学や回路理論を基礎に,大容量電気エネルギーの発生・伝送と消費,3相交流による電力伝送方式と計算手法,電力系統故障時の過渡現象解析について学ぶ。3相交流とYΔ変換,無効電力と有効電力の違いを理解し,単位法を使った簡単な電力伝送特性の計算ができること,故障時等の異常電圧・電流値を3相対称座標法により解き,必要な保護システムや電力系統における電圧と周波数の制御方式について理解できることを,達成レベルとして目指す。
II (1) 電力・エネルギーと社会,電力伝送方式,3相交流,YΔ結線 (2) 電力系統の基本回路,系統の連携,大容量機器,伝送電力 (3) LCR回路,分布定数回路,送電線と電力系統の等価回路 (4) 単位法,%インピーダンス,変圧器の単位法,3相短絡電流 (5) ベクトル電力,電力伝送特性,無効電力の調整 (6) 電圧の調整,電力円線図,負荷力率の改善 (7) 電力調整設備,調相設備,負荷配分 (8) 電力方程式,電力潮流計算 (9) 故障計算,3相対称座標法,対称分インピーダンス (10) 3相交流発電機の故障計算,2機回路の故障計算 (11) 電力系統の故障計算,3相短絡,系統故障の影響 (12) 地絡故障,断線故障,誘導障害 (13) 中性点接地方式,保護継電設備

講義の目的

電磁気学や回路理論を基礎に,大容量電気エネルギーの伝送と消費について,おもに3相交流による電力伝送方式と計算手法,電力系統故障時の過渡現象解析について学ぶ.

講義計画

1.電力・エネルギーと社会,電力伝送方式(直流・交流)
2.交流電力と3相交流, YΔ結線,電力系統の構成要素
3.大容量機器導入,電線路,電力系統の等価回路
4.単位法,%インピーダンス,3相短絡電流
5.正常時の電力電送,複素電力,伝送電力
6.電力変動の影響,無効電力の調整,電力円線図,負荷力率の改善
7.【中間試験】(出題範囲:6回まで)
8.負荷時タップ切換変圧器,直列コンデンサ,負荷配分
9.電力方程式,電力潮流計算(直流計算法)
10.テブナンの定理による故障計算,3相対称座標法 .
11.対称分インピーダンス,無負荷3相交流発電機の故障計算 .
12.電力系統の故障計算,3相短絡,系統故障の影響 .
13.系統故障による電圧上昇,中性点接地方式 .
14.誘導障害,保護継電設備,まとめ .
15.【期末試験】(出題範囲:8回以降) .

教科書・参考書等

講義内容はOCWに掲載.

参考書等
参考書:林泉(1976)『電力系統』昭晃堂.

関連科目・履修の条件等

関連科目: 「電磁気学I」,「電磁気学II」,「線形回路」,「回路理論」,「電気機器学」,
「電力エネルギー変換工学」

成績評価

演習等と試験による.配点は,演習20点,中間試験40点,期末試験40点.

担当教員の一言

電力システムは通信とならぶ大規模システムです.社会基盤である電力系統の仕組みを理解し,見学を通じて実際の大型装置を体感しよう.
また講義内容は電力送電に限らず,鉄道やプラントのシステム設計と運用にも必須の基礎知識です.

その他

達成レベル

【達成目標】
3相交流による電力伝送システムを無効電力と有効電力の違いを理解して説明することができ,また単位法を使った簡単な電力伝送特性の計算ができる.さらに電力系統における電圧制御方式や負荷配分の手法を理解し,地絡故障時に発生する異常電圧・異常電流値を,テブナンの定理または3相対称座標法により求めることができ,かつ必要な保護システムについて説明できる.

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