システム思考   Systems Thinking

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担当教員
飯島 淳一 
使用教室
木7-8(西9-201)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
6814
シラバス更新日
2015年4月15日
講義資料更新日
2015年3月16日
学期
前期  /  推奨学期:5

講義概要

“システム”として対象を見るということは,二つの意味を持っている。一つは,構成要素の間の相互作用によって生じる創発性に注目するということであり,もう一つは,現象の背後にある共通構造に注目するということである。人間活動を主な構成要素とするシステムにおいて,複雑な相互作用によってどのような創発性が生ずるかについては,利害関係者の立場によって,観点が異なってくる。すなわち,「同じものに対して異なる見方を与える」ことが重要となる。一方,現象の背後にある構造に注目するということは,「異なるものに対する共通した見方を与える」ことを意味している。本講義では,このように,さまざまな観点から対象を眺めることの必要性と重要性について述べる。

講義の目的

さまざまな観点から対象を眺めることができ,その結果を,自然言語,図式あるいは数理論理的な言葉で記述することができる能力を身につける。

講義計画

【内容と方針】
・ “システム”というものの見方の起源を,科学論との関係から説明する。
・ システム論の柱である,創発性と構造同型について触れ,システムの定義と分類について説明する。
・ 構造を表現するための数学的基礎について学ぶ。
・ 双方向の授業を心がける。

【キーワード】
システム,創発性,構造同型,メタファー,MECE,同値関係,ビジネスダイナミクス,ソフト方法論,集合的知性、社会ネットワーク分析、入出力システム,内部表現,状態表現,不確実性下の意思決定

【養うべき能力】
さまざまな観点から対象を眺めることができ,その結果を,自然言語,図式あるいは数理論理的な言葉で記述することができる。

【講義計画】
4月12日(木) 1.オリエンテーション:システム思考とは
4月19日(木) 2. 創発性:社会ネットワーク分析
4月26日(木) 3.構造同型性
5月10日(木) 4.ビジネスダイナミクス
5月17日(木) 5. 論理思考の試験
5月24日(木) 6.論理思考(1):論証構造と命題論理
5月31日(木) 7. 論理思考(2):述語論理
6月7日(木) 8. 論理思考(3):Prolog入門
6月14日(木) 9.議論の構造
6月21日(木) 国際会議のため休講
6月28日(木) 10. 離散系の状態表現
7月5日(木) 11. アクセプタ表現
7月12日(木) 12.形式言語と有限アクセプタ
7月19日(木) 13.帰納的構成表現とチューリング機械
7月26日(木) 14.目標追求システム表現
8月2日(木) 期末試験

教科書・参考書等

参考書等
[1] J.Nolt, D.Rphatyn著, 加地大介訳, 『現代論理学(Ⅰ)』, オーム社, 1995.
[2] 高原康彦,飯島淳一,『システム理論』,共立出版社、1990.
[3] 野矢茂樹, 『新版 論理トレーニング (哲学教科書シリーズ)』,産業図書, 2006.

関連科目・履修の条件等

前提知識:集合論の基礎(集合,集合の演算,関係,関数など,数理工学第1で履修する程度のもの)

成績評価

出席(ときどき講義終了前に小テストを行う) 40%
期末試験 60%

担当教員の一言

・ 当たり前のことを当たり前にできる人になろう。
・ 授業は君一人のものではありません。
・ 他に迷惑をかける行為は慎みましょう。

連絡先(メール、電話番号)

飯島淳一教授:西9号館5階522号室(ex.3942)
email:iijima.j.aa@m.titech.ac.jp

オフィスアワー

Tuesday 5-6

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