自動制御の基礎理論を中心とし,伝達関数・周波数応答を用いた線形フィードバック制御系の理論的解析並びに設計の手法を講義する.
「制御」に関する体系的な学問である制御理論の基礎について,まず最も重要な概念である「フィードバック」の本質的利点の理解に重点を置きながら学習する.特にシステムの伝達関数表現に基づきながらフィードバック制御系の解析と設計に関する内容を学習する.また,制御系のロバスト性解析について学び,ループ整形によるフィードバック制御系の設計法や2自由度制御系の構成について学習する.さらに, MATLAB/Simulinkを用いた数値シミュレーションを行い,実践に基づく設計技術を習得する.
1.フィードバック制御の利点
2.フィードバック制御系の特性 : 感度特性,定常特性
3.周波数応答 : ベクトル軌跡,ボード線図
4.内部安定性 : ナイキストの安定判別法,安定余裕
5.ロバスト性解析
6.フィードバック制御系の設計法 : PID補償,ループ整形,位相進み-遅れ補償
7.2自由度制御系
教科書
[1] 杉江俊治,藤田政之,「フィードバック制御入門」,コロナ社,1999.
演習書
[2] 杉江俊治,梶原宏之, "システム制御工学演習," コロナ社, 2014.
参考書
[3] 尾形克彦, 訳 石川潤 "制御のためのMATLAB," 東京電気大学出版局, 2010.
入門書等
[4] 大須賀公一,足立修一, "システム制御へのアプローチ," コロナ社, 1999.
[5] 示村悦二郎, "自動制御とは何か," コロナ社, 1990.
[6] 木村英紀, "制御工学の考え方-産業革命は「制御」からはじまった," ブルーバックス, 2002.
動的システム基礎,計測制御数学第一,情報処理概論及び演習(制シ)を履修していることが望ましい.フィードバック制御履修後は,現代制御論,ロバスト最適制御特論を履修することが望ましい.
講義・演習(30%),中間試験(35%),期末試験(35%)を総合して評価する.
本講義を通してフィードバック制御の設計法を習得することを強く望む.
講義HP: http://www.fl.ctrl.titech.ac.jp/course/FC/index.html