熱力学は自然科学全般について基礎をなす根本的学問であり,機械工学においても極めて重要な基礎科目となっている.
例えば
• 自動車・航空機のエンジンや発電所のタービンなどの「動力発生機械」
• エアコン・冷蔵庫などの「温度制御機械」
• 燃焼・電気化学反応などの「化学反応現象」
• 融解・凝固・溶解・析出などの「相変化現象」
はいずれも熱力学に基礎を置くものである.また,熱力学は,地球環境問題やエネルギー・資源問題を工学的に扱う上でも根幹となる学問である.本授業では,機械工学者として修得が要される熱力学の基礎について講義する.
機械工学の根幹の一つである熱力学の基礎を学習・修得し,次の段階の学部高学年次における機械工学科目学習に向けた基盤を形成すること.
1. イントロダクション(第1章)
2. 熱力学の基本的事項(第2章)
3. 熱力学第1法則:閉じた系,定常流動系の保存則(第3章)
4. 熱力学第1法則に関する演習(予定)
5. 熱力学第2法則:カルノーサイクル,熱力学的温度,エントロピー(第4章)
6. エネルギーの有効利用とエクセルギー(第5章)
7. 熱力学の一般関係式(第6章)
8. 熱力学第2法則・エクセルギーに関する演習(予定)
9. ガスサイクル(第7章)
10. 蒸気サイクル(第8章)
11. 蒸気に関する演習(予定)
※2014年度の期末試験は8/4(月)に実施.場所:S621,時間:5-6時限.
詳細は http://www.titech.ac.jp/enrolled/life/undergraduate_exam.html
の「期末試験時間割表」を参照のこと.
また,試験の諸注意事項は下記リンクを参照のこと.
http://www.titech.ac.jp/enrolled/life/university/pdf/jikanwari/tyuuigaki20140624.pdf
■ 教科書 (Formal textbook of this class)
JSMEテキストシリーズ「熱力学」,日本機械学会,丸善.
■ 参考書 (Suggested textbooks for self-study)
・Y. A. Cengel and M. A. Boles, Thermodynamics - An Engineering Approach, McGraw-Hill
(Note: For those who are not good at Japanese reading, this textbook will be highly helpful to understand the contents of this class.)
・「熱力学概論」,森康夫・一色尚次・河田治男,養賢堂
なし.
主として期末試験により行うが,適宜行う演習における参加・解答状況を評価に組み込む.
本講義で扱う内容は機械工学の基礎となる科目ですので,奮って受講してください.
なお,適宜行う演習では,自力で解答に取り組む(学生間で答案を見せ合わない・既存の過去回答を見ない)ことをルールとします.