講義と実験・演習を組み合わせたレクチャー・ラボ統合型授業により,まず前半で機械システムに使用される材料とその性質および各種加工法について学習した上で,後半で具体的な機械システムの設計・製図および設計した機械システムの組立・動作試験を行うことにより,機械知能システム設計に必要な総合力を修得する.
機械知能システムの設計と生産に関わる基礎知識を修得するために,機械システムに使用される材料とその性質,各種加工法の詳細を理解させ,一連の講義の集大成として,具体的な機械システム設計を体験させることを目的とする.本授業を通じて,機械知能システムの詳細設計を実施するために必要な総合力を修得することを履修目標とする.
1.材料とその性質
1.1 材料と機械設計
1.2 材料の基本特性
1.3 金属材料の基礎
[実験・演習]平衡状態図の計算および熱分析実験
1.4 鉄鋼材料I鉄鋼の性質と熱処理
1.5 鉄鋼材料II機械構造用鋼・合金鋼・鋳鉄
[実験]炭素鋼の熱処理と組織および強度変化
1.6 ステンレス鋼・耐熱鋼・機能性材料
1.7 非鉄材料と非金属材料
[実験]アルミニウム合金の熱処理と組織および強度変化
1.8 機械設計における材料選択の基本
2.加工法
2.1機械設計と材料加工
2.2 生産プロセスと機械加工
[実習]NC工作機械による加工実習
2.3 塑性加工
2.4 溶接・接合
[実験]炭素鋼およびステンレス鋼アーク溶接部の
組織と機械的・化学的性質
2.5 鋳造,粉体加工
3.機械システム設計
3.1 応力基準の強度設計
3.2 安全率
3.3 寿命計算
3.4 各種機械要素の強度設計
3.5 3D-CADによるモデリング
[実習]3D-CADによる設計,製図,動作試験
3.6 FEMによる応力解析
3.7 機械システムの製作と評価
[実習]ラピッドプロトタイピングによる部品作成
[実験]設計した機械システムの組立,動作試験
基礎機械材料(培風館),その他,適宜プリントなどを配布する.
4学期の「設計と生産の工学第1」を履修済みであること.
機械材料・材料加工に関する中間試験,機械システム設計に関するCAD実習の提出図面,その他の実習,実験に対する提出レポートにより評価する.合格基準は,上記の講義計画項目のうち少なくとも80%を理解し,60%以上を実力として習得し,機械運動システムの詳細設計の実施が可能であること.
「設計と生産」は我が国の産業を支える「ものづくり」の基本である.本授業の講義だけでなく,実習,実験の実体験を踏まえて楽しく修得されたい.