IT社会を迎え,大量の情報を高速に扱うため,電子・情報機器で消費されるエネルギーが増大している。発生する熱を制御する冷却設計が,機器の正常な動作を確保するために欠かせない。また,処理速度を上げるため,高集積化が進み,狭い空間に多くの異種材料が詰め込まれる傾向にある。その結果,電源のon/offなどに伴う温度変動に起因して材料界面に発生する応力が厳しくなり,材料強度設計が機器開発の中でクリティカルになっている。そのために簡単な実例を通し,工業上どのような設計が行なわれているかを習得することを目的とする。
IT社会を迎え,知的活動範囲が急速に拡がろうとしている.このような社会を実現するには電子デバイスや情報機器の発達に負うところが大きい.大量の情報を高速に扱うため,消費されるエネルギーが増大している.発生する熱を制御する冷却設計が,機器の正常な動作を確保するために欠かせない.また,処理速度を上げるため,高集積化が進み,狭い空間に多くの異種材料が詰め込まれる傾向にある.その結果,電源のon/offなどに伴う温度変動に起因して材料界面に発生する応力が厳しくなり,材料強度設計が機器開発の中でクリティカルになっている.そのために簡単な実例を通し,工業上どのような設計が行われているかを習得することを目的として,以下の講義を行う.関数電卓を用いた演習を実施する.
1.温度制御の必要性
2.設計と伝熱工学
3.設計と流体工学
4.設計と解析技術
5.設計データの蓄積
6.冷却技術の実際
7.電子・情報機器と材料強度
8.回路基板とたわみ
9.はんだ実装と熱疲労
10.はんだ実装とき裂進展
11.樹脂封止半導体パッケージと内圧破壊
12.シリコンプロセスと材料強度
必要に応じてプリントを配布.履修した材料強度の教科書
関数電卓持参 材料強度教科書持参
講義内容に沿った期末試験による.配分は,冷却設計50%,強度設計50%
毎回の演習問題の中から,期末試験問題を作成する.
出欠をとる.
熱力学,材料力学が情報化社会をどのように支え,役立っているかを通し,実社会が機械技術者に望むものの一端を伝える.