基礎トライボシステム   Fundamentals of Tribosystem

文字サイズ 

担当教員
京極 啓史  益子 正文 
使用教室
水1-2(I123)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
6522
シラバス更新日
2010年3月22日
講義資料更新日
2010年3月22日
学期
前期  /  推奨学期:5

講義概要

I 接触二固体間に生じる摩擦摩耗現象とそれを取扱う際の考え方を修得させる。特に,摩擦摩耗現象の原因とその特性,摩擦摩耗制御手段としての潤滑の原理と潤滑剤の物性について十分に理解させることを目的とする。
II トライボロジーと機械技術,接触と表面あらさ,無潤滑下の摩擦と摩耗,流体潤滑,弾性流体潤滑,流体潤滑の応用,弾性流体潤滑の応用,境界潤滑の機構,潤滑剤など。

講義の目的

接触二固体間に生じる摩擦摩耗現象とそれを取扱う際の考え方を修得させる.特に,摩擦摩耗現象の原因とその特性,摩擦摩耗制御手段としての潤滑の原理と潤滑剤の物性について十分に理解させることを目的とする.この講義を通して得た知識を実際に直面するであろう工学問題に応用し,可動部を持つ機器に生じ得る摩擦摩耗問題とその一般的な解決法を理解することを履修目標とする.

講義計画

(中原担当分)

1.トライボロジーと機械技術
2.接触と表面あらさ
3.無潤滑下の摩擦と摩耗(その1):凝着
4.無潤滑下の摩擦と摩耗(その2):アブレッシブ/ヒステリシス摩擦
5.その他の表面損傷


(京極担当分)

6.流体潤滑1
 潤滑モード/特徴/原理/油膜圧力
7.流体潤滑2/弾性流体潤滑1
 Reynolds方程式/弾性接触/高圧粘度
8.弾性流体潤滑2/流体潤滑の応用1
 弾性流体潤滑/すべり軸受
9.流体潤滑の応用2/弾性流体潤滑の応用1
 ピストンリング/ころがり軸受/オイルシール
10.弾性流体潤滑の応用2
 カム/トラクションドライブ


(益子担当分)

11.境界潤滑の機構I:
 流体潤滑の限界/境界潤滑における化学の重要性/分子の極性/潤滑油の分子構造
12.境界潤滑の機構II:
 分子の極性と吸着現象/吸着分子膜のはたらき/化学吸着と分子配向の役割
13.境界潤滑の機構III:
 油性と極圧性/無機反応皮膜の形成/トライボケミストリー
14.潤滑剤
 潤滑剤の分類/潤滑油の組成と特徴/潤滑油の製造法/添加剤の役割と分類

教科書・参考書等

参考書等
「トライボロジーの基礎」加藤,益子(培風館)
「トライボロジー」山本,兼田(理工学社)
「トライボロジーハンドブック」日本トライボロジー学会編(養賢堂)
「機械工学便覧B1機械要素設計・トライボロジー」(日本機械学会)
「新版 潤滑の物理化学」桜井(幸書房)
「石油製品添加剤」桜井編(幸書房)

関連科目・履修の条件等

「エネルギーと流れ第一,第二」,「変形と振動の力学第一,第二」を履修していることが望ましい.

成績評価

学期末の試験によって評価する.合格基準は,上記講義計画の各項目に含まれるキーワードのうち少なくとも70%以上について理解し,工学的応用問題に対して適用できることである.

担当教員の一言

摩擦摩耗現象は,身の回りの様々な機械・機器の動作,トラブルに深くかかわっている.本講義を通して,摩擦摩耗現象の特質ならびにその制御法を修得して,技術者として直面するであろう問題の解決を図ってほしい.

このページのトップへ