本授業では身の回りの現象をセンサで計測してデータを処理する一連の手法について学習する.授業は,計測とデータ処理についての基本事項(センサの原理,システム化技術,信号処理,計測理論,計測データの統計学的取り扱い,回帰分析)を学習する講義と,計測システムを実際に設計・製作する演習から構成されている.演習では各自が何を計測するかを決め,最適なセンサを選び,計測システムを設計/製作する.計測対象は例えば次のような対象が考えられる.
機械(振動,騒音,温度,圧力,流速,,,,)
環境(温度,湿度,風速,照度,,,)
人体(身長,体重,体温,心拍,心電,,,)
授業最終日に行われる発表会までに,受講生は一人1台の計測システムを製作する.そして製作した計測システムで対象を計測し,データをコンピュータで処理して結果を視覚化して,考察を行う.そして発表会では,計測システムの仕様説明と得られた結果・考察について各自がポスター形式の発表を行う.
計測理論の基礎および測定データの統計学的処理方法について講義と演習で学ぶことを目的とする.また,センサの原理とシステムについても学ぶ.
測定機器・センサ(空間量の計測(エンコーダ,ジャイロ,加速度計),力計測(歪ゲージ,ロードセル,温湿度(熱電対),光(フォトダイオード),音(圧電素子))
システム化技術(アナログ信号→コンディショニング(増幅,LPF,その他ノイズ対策)→A/Dコンバータ(サンプリング定理)→DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ、デジタル信号処理))
信号処理1(アベレージング,スムージング,相関関数,コンピュータ演習)
信号処理2(フーリエ変換,コンピュータ演習)
基本量と組立量,次元,SI組立単位
測定の誤差と精度(有効数字,桁落ち,誤差の正規分布,精度の信頼性,精度の表わし方,誤差の伝播)
最小二乗法(原理,手計算の演習,Excelによる課題),データ補間(ラグランジュ,スプライン),回帰分析(共分散,相関係数)
分散分析(一元配置法,F分布,有意水準,棄却)
筆記試験(60分)最終発表会(100分)リフレクション(20分)
「計測システム工学の基礎」西原主計,山藤和男,森北出版
本授業では,各自が自分のノートPCを持参して下さい.もっていない人は学科のPCを貸し出します.なお授業で以下のソフトウェアを使用します.第1回の授業までに,各自のPCにインストールをお願いします.
MATLABダウンロードサイト
http://tsubame.gsic.titech.ac.jp/MATLAB-TAH
Arduinoダウンロードサイト
http://arduino.cc/en/Guide/HomePage
Windows8を使用している人は,最新バージョン1.6.3以前のものをインストールする場合は以下のWebやネット情報を参考に,インストールすること
(普通にインストールしただけでは動きません)
Windows8へのArduinoインストール方法
http://mag.switch-science.com/2013/02/05/use_uno_on_win8/
授業内に行う小テスト 10%
最終発表会 40%
期末試験(筆記) 50%
手を動かして五感で学ぼう!
応相談 TBA