地球環境科学   Protection of Global Environment

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担当教員
岡崎 健 
使用教室
木3-4(石3-310)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
6435
シラバス更新日
2013年9月20日
講義資料更新日
2013年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:6,8

講義の目的

化石燃料の大量消費に起因する地球温暖化、酸性雨等の地球環境問題の本質を理解させるとともに、各種対策技術開発の最近の動向を原理に重点をおいて解説し、現在および将来の地球環境保全のあり方について科学的な基本的考え方を身につけさせることを授業の目的とする。本授業(討論を含む)を通じて、地球環境問題に対して、環境倫理を踏まえた客観的な正しい状況判断、問題提起、解決策の立案ができる基礎的素養を獲得することを履修目標とする。

講義計画

1.地球環境問題の本質と対策の視点
・化石燃料大量消費の現状と地球環境問題 ・環境倫理
2.地球環境対策に関わる最近の国際動向
・各国の取り組み ・温暖化ガス排出動向 ・京都メカニズム
3.地球温暖化の発生メカニズムと対策
4.酸性雨の発生メカニズムと対策
5.燃焼に伴う環境汚染物質の生成と防除技術
・NOx, SOx, 微粒子の生成機構と防除原理
6.火力発電所の概要と高効率・クリーン発電システム
・蒸気タービン(ランキン)サイクルの基本 ・高効率・クリーン化の原理と技術動向
7.地球環境保全型燃焼システムとCO2 の分離・回収・隔離
・CO2 回収型石炭燃焼システムとNOx, SOx の同時除去 ・CO2 の海洋隔離・地中隔離
8.燃焼の熱力学と燃焼計算および演習
・燃焼ガス組成 ・断熱火炎温度 ・エクセルギーとエネルギーの質
9.水素エネルギー導入の意義と将来展望
・水素導入の本質的意義 ・水素燃料電池 ・水素自動車と水素供給インフラ
・水素を核とした高度エネルギーシステム(低質エネルギーの高質化再利用)
10.燃料電池の原理・種類・応用
・動作原理 ・構造 ・AFC, PEFC, PAFC, MCFC, SOFC
11.固体高分子形燃料電池の課題と技術開発動向
12.化石燃料・水素・CO2 隔離を統合した総合的地球温暖化対策
・CO2 フリー石炭利用技術 ・個別技術のシステム統合 ・再生可能エネルギー
13.エネルギー・環境分野へのプラズマ化学反応の応用
・大気圧非平衡プラズマの生成 ・排ガス浄化 ・物質変換・燃料改質 ・触媒併用
14.地球環境保全に関する討論会(環境倫理を含む)
・持続的成長への現実的シナリオ ・今、何をなすべきか?

教科書・参考書等

最新の資料をもとにしたテキストや参考資料を随時配布する.

関連科目・履修の条件等

熱流体関係の基礎専門科目を履修しておくことが望ましい.

成績評価

出席:授業に出席し、地球環境保全について問題意識を持ち真剣に考えることが重要
中間レポート:環境問題の原因ともなる燃焼の計算に関する演習問題
期末試験:環境問題の本質を理解し、正しい客観的判断力が身についたかを判定する
論述問題、および燃焼計算問題
期末試験結果を中心にこれらを総合的に勘案し、講義内容の80%以上を理解し、地球環境問題に関する素養と環境
保全に対する倫理観が獲得されたと判断されること.

担当教員の一言

少なくとも授業中は自らの問題意識を持って、教員と一緒に地球環境問題を真剣に議論しようとする積極的姿勢が
要求される.メディアからの環境関係の報道内容に対して客観的な科学的価値判断・評価ができる眼が身につくは
ずである.

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