I 主として,わが国の地域,大学や職場に起こる人間関係の諸問題を,精神科学の視点から講義する。人間関係のパターン,信頼の性質,自己概念などの諸要因を事例を通して学習する。
II 最近,社会における「心の健康」はますます重要視され,さまざまな病理も出現してきている。これらの諸問題(たとえば自殺,アルコール,薬物乱用,精神障害)について臨床及び社会精神医学の視点から事例などを通じて講義する。
現代社会における人間関係、機械と人間、社会と人間において生じる様々な問題に精神医学、社会病理学、臨床心理学的観点からアプローチする。人間科学、精神科学に独自の方法論とその思想、理念を論じ、また対象たる人間の多様性を紹介する。各種資料を駆使し、具体的な事例、個別的な問題について分析し、出席者とともに考察していく。
以下のトピックスを扱う予定だが、出席者の希望も考慮し、新たな項目も加える。
1. 人間科学と精神科学
2. メンタルヘルス総論
3. 現代若者の心理-「生活ソフト欠乏症」、「のび太症候群」-
4. ストレスと現代社会、テクノストレス
5. 社会病理と精神病理(自殺、犯罪・非行、家族問題など)
6. 薬物乱用とアルコール
7. 攻撃性と精神病理
8. 創造性と精神病理-病跡学への招待
9. 国境なき時代の精神保健と精神病理
10. 比較文化と精神病理、多文化精神医学入門
11. 自己理解、他者理解のための視点と方法
12. 学生期の対人関係ネットワーク
Baruk, H.著(影山訳)フランス精神医学のながれ、東大出版会
影山任佐著 空虚な自己の時代、NHK 出版
影山任佐著 エゴパシー:自己の病理の時代、日本評論社
影山任佐著 暗殺学、世界書院
影山任佐著 テキストブック殺人学、日本評論社
影山任佐著 犯罪精神医学研究 「犯罪精神病理学」の構築をめざして、金剛出版
影山任佐著 図解雑学 心の病と精神医学、ナツメ社
斎藤憲司著 ひとと会うことの専門性、垣内出版
その他、講義内で随時紹介する。
特になし。広く人間と人間関係に関心を持っている学生であれば歓迎する。
レポートを中心に、授業出席も加味する。
担当教員は、社会精神医学や犯罪心理学を専門とする医師と、臨床心理学、教育心理学を専門とするカウンセラーである。保健管理センターを訪れる学生と個別に語り合う時間がほとんどなので、広い講義室で多くの出席者と交流できる機会を楽しみにしている。
【オフィスアワー】
いつでも声をかけて下さい。