I 固体を変形させて戻らない性質を塑性といい,塑性変形が開始する状態を降伏という。ここでは,単純な応力状態の弾塑性変形,組み合わせ応力状態での降伏条件を理解し,構造物の降伏強度や塑性加工を解析する方法(初等解法)を習得する。
II 応力とひずみ,金属の降伏条件,圧縮変形,曲げ変形,塑性加工の初等解法
本講義は塑性変形に関する知識と、塑性変形を利用した成形加工の力学的な考え方、解析法の習得を目的としている。塑性変形を利用した加工法は生産性と安定性がたかく、また成形品は強度、品質特性に優れているために、産業界で広く利用されている。
この講義では成形加工の基本となる理論、原理、原則を取り扱う。また、代表的な成形加工法について、塑性力学的な解析方法を解説する。さらに成形加工の製品への活用法を事例にもとづいて述べる。
1. 成形加工の概説
・金属材料の塑性変形特性と塑性加工
2. 塑性力学の基礎
・1 軸塑性変形
・構造物の塑性設計
・応力とひずみ
・降伏条件
・塑性構成式
3. 塑性加工とその解析法
・2 次元塑性加工問題
・軸対象問題
4. 有限要素法による数値シミュレーション
5. 塑性加工の活用法
6. 塑性加工関連の工場見学
参考書等
小坂田宏造 「応用塑性力学」 培風館
「変形の力学」、「材料の科学」を履修しておくことが望ましい。
期末試験を主とするが、演習も総合して評価する。
【オフィスアワー】
随時。メールで予約後来室が望ましい。