機械の動力学   Dynamics of Machinery

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担当教員
杉本 浩一 
使用教室
月1-2(石3-107)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
6419
シラバス更新日
2009年8月3日
講義資料更新日
2008年10月1日
学期
後期  /  推奨学期:-

講義概要

Ⅰ 機械の運動に伴う慣性力を考慮した設計および制御を行うために,剛体系の動力学解析のための理論と手法を学ぶ。
Ⅱ 不等速運動を行う空間機構の速度,加速度,力の解析,剛体系の運動方程式,Newton-Euler法,逆動力学解析,機構の動力学パラメータと動力学特性,空間閉ループリンク機構,ロボット機構。
Ⅲ 剛体の運動を行列,速度,加速度を6次元ベクトルで表し,メカニズムの運動,速度,加速度の解析を統一的な手法で行うための理論的基礎と,その理論の展開手法を学び,運動のシミュレータの構築を行うための手法を学ぶ.

講義の目的

機械運動システム学では主に平面運動を行う機械の力学、運動学を学んだ。本講義ではこれに続き、ロボットに代表される空間機構を含めた運動学、力学、動的解析の手法を学ぶ。機構の動力学解析は機構の運動性能のシミュレーション、機構制御アルゴリズムの設計等に欠かせないものである。本講義では、まず解析のための機構のモデル化手法とそれに基づく解析式の定式化手法を学ぶ。これを基に平面機構、開ループロボット機構、閉ループ機構の力学特性、動的特性の計算機処理に適した解析手順を学ぶ。

講義計画

1.序論
講義内容の説明, グラフ理論とリンク,対偶の結合状態の表現,機構に作用する力の関係.
2.機構の動力学モデル,機構の力学
動力学の基礎となる剛体の慣性,速度,加速度による慣性力,ダランベールの原理.
3.機構の分類,速度解析の表現方法,開ループ機構のヤコビ行列
運動空間と力の関係,拘束下の機構の速度,加速度,力の表現,仕事率と対偶トルクの計算
4.平面機構の力学
平面での速度,加速度,力の表現,対偶での仕事率とトルク,これに基づいた速度解析式の導出,基底対偶とループのヤコビ行列,機構の慣性力,力の釣り合いと加速度の決定,スライダー・クランク機構,平面4節機構等の動的解析例
5.ロボット機構の解析
ロボット機構の分類,DH パラメータと座標変換,変位解析,速度解析,加速度解析,力解析
6.空間閉ループ機構の運動解析
閉ループのグラフ表現,閉ループ機構の速度,加速度,力の条件,グラフに基づく解析式の導出,ループのヤコビ行列
以上の手法を学び、幾つかの実際の機構に基づいて解析手順を学ぶ。さらにこのような動的解析の手法と合わせて、機構の自由度と速度の張る運動空間との関わり等のトピックスを紹介する。

教科書・参考書等

参考書等
教科書としてはオリジナルプリントを使用する。

関連科目・履修の条件等

機械運動の解析は理論が主体である.そのため,微分・積分,力学に対する知識が不可欠である.1年,2年での数学,力学を十分に理解すること.

成績評価

演習および期末試験を総合して評価する。

担当教員の一言

剛体の運動は行列とその微分で表される.ベクトル,行列の十分な知識が望まれる.

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