社会技術革新学概論   Social Technology Innovation

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担当教員
増田 優  須藤 繁 
使用教室
 
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
6221
シラバス更新日
2011年3月23日
講義資料更新日
2011年3月23日
学期
前期  /  推奨学期:7

講義概要

産業・経済・社会に構造変革をもたらす技術革新の歴史と実相について説明し,あわせて環境・エネルギー・安全等の世界が直面している諸課題と技術革新との関連について解説しつつ,内外における技術革新を促進する政策の動向や技術戦略と技術経営のあり方,そして科学的方法論と専門家・専門家集団の役割等について具体的に解説する。
さらに化学産業と化学技術の特徴及び歴史を解説し,加えて内外の環境変化を踏えた将来展望について説明しつつ,化学物質が開発・生産され社会において流通・使用・廃棄されるにあたり求められる化学技術戦略のあり方や化学物質の総合管理の考え方,そして化学技術者のあり方等について具体例を挙げて解説する。

講義の目的

人間は多様なリスクに曝されながら、技術革新や制度改革そして人材改新を通して社会変革を成し遂げ、生活の安全保障を向上させてきた。資源や付加価値の意味を確認しつつ、技術革新や制度改革と産業・経済や生活・社会の構造変化との関わりについて検証するとともに、内外の動向と基本認識や政策の変遷について解説しながら日本が直面している課題と人材改新の重要性について論じる。

講義計画

Ⅰ.社会変革と技術革新(増田 優 担当)
1.多様なリスクの中における生活の安全保障
2.技術革新の進展と資源価値の変遷
3.付加価値の意味と価値創出の仕組み
4.付加価値の生産に影響する価値観の変遷と技術革新の進展
5.環境制約と生活・社会の安全保障
6.公害危機の克服に見る技術革新の役割と生活・社会の変革
7.資源・エネルギー制約と経済・社会の安全保障
8.石油危機の克服に見る技術革新の役割と産業・経済の変革
9.貿易収支に見る日本の国際競争力の向上と日米貿易摩擦
10.経済大国を支えた技術革新の実相と研究開発への重点投資
11.技術革新に対する基本認識の変化と国際競争力の変遷
12.諸外国における国際競争力の強化に向けた技術政策や制度改革の展開
13.知識体系の再構築による戦略的思考の展開と日本の弱点の顕在化
14.科学的方法論と社会的規範の関係強化による生活の安全保障の向上
15.人材育成・教養教育の新展開と社会の合意形成方法の再構築

Ⅱ.技術革新と産業技術政策(徳増有治 担当)
1.我が国の研究開発の現状と産業界における研究開発
2.企業における研究開発戦略とその変化
3.我が国の国際競争力
4.我が国技術開発政策のねらいと体系
5.産業技術政策の現状と課題
6.今後の産業技術政策の方向

教科書・参考書等

【教科書】 講義の際にオリジナル資料を配付する。
【参考図書】
1.化学物質を経営する  (化学工業日報社2007年 ISBN4-87326---C)
2.「知の世界」が創る政策の新展開(化学工業日報社2004年 ISBN4-87326-436-7-C0034)
3.化学物質総合管理、71-84頁、地球環境の化学(朝倉書店2006年 ISBN4-354-25599-3)
4.機能性化学 (化学工業日報社2002年 ISBN4-87326-394-8-C3040)
5.化学は地球を救えるか(化学工業日報社1997年 ISBN4-87326-246-1-C3043)
6.OECDと日本のバイオテクノロジー政策(バイオインダストリー協会)

成績評価

1.出席状況と授業理解度の確認のため授業毎に小レポートを記す。
2.最終レポートの課題、提出期限、提出場所などは講義中に指示する。
3.成績評価は出席状況と最終レポートの評価を加味して行う。
  出席点とレポート点の配分は授業における論議・質疑などに応じ設定。

担当教員の一言

1.知識の獲得よりも視野の拡大、問題意識の醸成、課題設定力の向上、構想力の涵養そして知的説得(Intellectual Persuasion)
能力の強化などに資することを期待。
2.質問大歓迎。自由闊達な論議を期待。

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