高分子計算化学   Computational Chemistry in Polymer Science

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担当教員
安藤 慎治  古屋 秀峰  川内 進  山田 和彦 
使用教室
木3-4(S423)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
6211
シラバス更新日
2011年9月20日
講義資料更新日
2011年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:6

講義概要

本講義は、第1部:分子動力学法(古屋准教授)、第2部:分子軌道法(安藤教授)、第3部:計算化学演習(川内准教授・山田助教)の3部構成です。第1部と第2部では、高分子計算化学の理論的な基礎について学び、第3部では実際に学術情報センターのコンピュータを使って、計算化学の実践的な演習を行います.

講義の目的

高分子科学の分野で用いられている計算化学的手法(量子化学計算、分子力学計算、分子動力学計算)の基礎理論と実際の計算方法について概説し、計算機を使った実習(演習)を通して、高分子研究におけるコンピュータ利用の基礎と実際を体得させる。

講義計画

1. 高分子科学研究における計算化学の意義(総論)(第1週:川内)
2. 分子動力学法の基礎理論 (第2週:古屋)
3. 分子動力学法の実際 (第3週:古屋)
4. 分子動力学法で計算される物理量 (第4週:古屋)
5. 分子動力学法による高分子材料の物性予測 (第5週:古屋)
6. 分子軌道法とは何か (第6週:安藤)
7. 分子軌道法で計算できる分子の基本的性質 (第7週:安藤)
8. 高い近似の分子軌道法 (第8週:安藤)
9. 分子の物理的性質とスペクトル (第9週:安藤)
10. 有機反応の分子軌道論 (第10週:安藤)
11. 高分子計算化学演習1 (第11週:川内・山田)
12. 高分子計算化学演習2 (第12週:川内・山田)
13. 高分子計算化学演習3 (第13週:川内・山田)
14. 高分子計算化学演習4 (第14週:川内・山田)

教科書・参考書等

廣田 穣 著「分子軌道法」裳華房(安藤担当分)

関連科目・履修の条件等

アトキンス「物理化学」の量子論(11~14章)について復習しておくこと(安藤担当分).

成績評価

講義中の課題、計算化学演習(出席が必須)、期末試験による総合評価.

担当教員の一言

パソコンやスパコンの演算速度が飛躍的に向上するにつれて、高分子の研究においても計算化学が急速に身近なものになってきています。特に昨年、東工大にTSUBAMEが導入され、本学の学生諸君にとって世界最高水準の分子科学計算ができる環境が整いました。しかし、分子科学計算は入力データを作成し計算機にかけるだけで計算結果が容易に得られるため、理論と方法に関する基礎的な知識を身につけた上で計算を行わないと誤った解釈につながりかねません。そこでこの講義・演習では、研究室に入ったのち、実際にコンピュータを用いて計算を始めるにあたって必要な基礎的な知識と技術を講述します。来年、物性系の研究室への所属を希望する学生には特に受講を薦めます。なお、本講義・演習は『高分子物理化学演習』とも連動しているので、『高分子物理化学演習』もあわせて履修してください。

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