工業材料   Industrial Materials

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担当教員
平尾 明  松尾 孝  柴田 修一 
使用教室
金1-2(W351)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
6217
シラバス更新日
2010年9月20日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:6

講義概要

I 最近の諸技術の急激な発達は絶えず新しい材料を要求し,又これら諸材料の開発は諸工業の画期的な進歩を促している。工業のいずれの部門に従事する者も工業材料(金属材料,無機材料,有機材料及びそれらの組合せ)の物性,加工法,使用法の基礎的かつ総合的な知識を持つことが必要であろう。
II(1)金属材料:松尾  孝 教授 担当
   純金属及び合金の構造と合金化による組織形成とその制御について述べ,金属材料の機械的性質と組織との相関を定性的に論述し,実用合金の組織制御の意味を理解させる。
 (2)無機材料:柴田 修一 教授 担当
   ファインセラミックスの種類とその諸性質を化学結合,結晶構造,材料組織と関連づけて概説する。後半では耐熱材料に焦点を当て,熱的,機械的特性と評価技術,評価理論について述べる。
 (3)有機材料(高分子材料):平尾  明 教授 担当
   ブロック共重合体,特殊形態を有するポリマー,C60とその類似体,デンドリマー等の合成と特性,さらに表面構造に焦点を当てる。

講義の目的

最近の諸技術の急激な発達は絶えず新しい材料を要求し,またこれら諸材料の発達は諸工業の画期的な進歩を促している。工業のいずれの部門に属する者も工業材料(金属材料,無機材料,有機材料およびその組み合わせ)の物性,加工法,使用法の基礎的かつ総合的な知識を持つことが必要であろう。

講義計画

1. 金属材料
金属の塑性変形を担う転位のすべり運動の特徴を示す。純金属の強化機構は、結晶粒の微細化と加工硬化であり、いずれも転位のすべり運動を抑えることで説明できることを理解させる。合金化による固溶強化と第2相による分散強化も転位のすべり運動を抑えることで説明できることを示す。転位のすべり運動を抑える効果はどのような組織制御で生ずるかを示す。組織制御法としての熱処理の意味を理解させ、その可能性を示す。最後に高温では転位の上昇運動が生ずるため室温とは全く異なる強化方法が必要なことについても論ずる。
2. 無機材料
無機材料、特にセラミックス について、どのような特徴を有する材料であるのか、どのような分野に用いられているのかを概説したあと、代表的な無機材料である誘電体、コンクリート、ガラス等について、その材料的特徴、応用に関する原理を説明し、「無機材料のおもしろさ」を伝える。
3. 有機材料
高分子材料全般を概説した後に、ブロック共重合体や特殊形態を有するポリマー、C60とその類似体、デンドリマーの合成と特性、ポリマーの表面構造について講義する。

成績評価

講義中に出される課題(小テスト及びレポートを含む)と期末試験による。

担当教員の一言

現代社会を支えている三大材料の学問体系の大きな違いと特徴を理解してもらう。

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