高分子構造   Structures of Polymers

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担当教員
安藤 慎治 
使用教室
火3-4  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
6204
シラバス更新日
2005年4月22日
講義資料更新日
2005年4月22日
アクセス指標
学期
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補足資料

講義概要

 分子量の大きな高分子には、分子が鎖状あるいはネットワーク状であることがもたらす独特な構造と性質がみられる。
 本講義では、まず高分子が孤立鎖として存在する場合の鎖状形態を論じ,次に高分子の基本的な分子構造の特徴を述べ、次いでそれらの集合体である高分子物質を液体(融体),非晶性固体,結晶性固体、(高分子)液晶に分類して,それらの特徴を解説する。

講義計画

0. 高分子科学の歴史
1. 高分子構造の階層性と多様性
 1-1 一次構造
  1.1.1 くり返し単位
  1.1.2 Regio規則性と立体規則性
  1.1.3 モノマー配列
  1.1.4 分岐、環構造、相互侵入
 1-2 立体構造
  1.2.1 コンホメーション
  1.2.2 伸びきり鎖と折りたたみ鎖
 1-3 高次構造
  1.3.1 非晶と結晶
  1.3.2 相分離の構造
2. 孤立高分子鎖の性質
 2-1 モデルの構築
  2.1.1 両末端間距離と回転半径
  2.1.2 数学的な取り扱い
 2-2 理想鎖における考え方
  2.2.1 自由連結鎖
  2.2.2 1次元及び3次元酔歩問題、
  2.2.3 棒状分子
  2.2.4 自由回転鎖
  2.2.5 束縛回転鎖 (回転異性状態)、
  2.2.6 セグメントと理想鎖
  2.2.7 等価自由連結鎖とみみず鎖
3. 非晶性高分子固体の構造
 3-1 高分子の体積-温度曲線
 3-2 非晶中の分子鎖形態
  3.2.1 Flory のランダム鎖モデル
  3.2.2 提案されたその他モデル
  3.2.3 中性子散乱による検証
 3-3 非晶構造と状態変化
  3.3.1 高分子ガラスの構造
  3.3.2 状態変化と力学的性質
 3-4 非晶性高分子の転移
  3.4.1 局所緩和 (副転移)
  3.4.2 ガラス転移
4. 結晶性高分子固体の構造
 4-1 高分子結晶の代表的形態
 4-2 結晶中の分子鎖形態
  4.2.1 直鎖、折りたたみ、らせん構造、
  4.2.2 結晶性剛直分子(アラミド)の例
  4.2.3 生体高分子(ポリペプチド)の例
 4-3 結晶成長の機構と結晶化度
  4.3.1 核生成と成長
  4.3.2 等温結晶化とAvrami理論
  4.3.3 結晶化度とその測定法
  4.3.4 融解現象と再結晶化
5. 高分子液晶の構造
 5-1 高分子液晶の構造と多様性
 5-2 高分子液晶の相転移と相図

教科書・参考書等

中浜・野瀬他「エッセンシャル高分子科学」(講談社サイエンティフィク)
高分子学会編「高分子科学の基礎」(東京化学同人)

成績評価

講義中に行う小テスト、レポート及び期末試験による。

担当教員の一言

本科目は「高分子化学」「高分子物性」とともに高分子科学の基礎となるものであり,しっかりと学習する必要がある。

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