I 無機固体を材料として扱う化学の諸分野で必要な基礎と最新のトピックスについて学ぶ.
II テキスト「シュライバー・アトキンス無機化学(上・下)」第4版,東京化学同人(2008).
本講義では,無機固体を材料として扱う化学の諸分野で必要な基礎を学習します.無機化学第一(工)でも学んだ「固体の結晶構造・電子構造」ならびに「酸化と還元」について,固体を材料として扱う観点から解説を加え,理解を深めます.ここで結晶構造やバンド構造の概念を復習し,後半の「固体化学と固体物性」における固体化学と固体物性の幅広い学力を身につけるための基礎とします.金属の酸化と還元は,「ナノ材料・ナノテクノロジー」でもその重要性が理解されるように,無機固体を合成する際の第一原理となります.講義全体を通じて,溶液中の反応とはかけ離れた,気相や固相の反応を扱い,環境・エネルギー分野における実用材料としての性質や機能について解説します.加えて,ランタノイドとアクチノイドの性質について学びます.
第 1回 10月 3日. 固体化学概論
第 2回 10月12日. 結晶構造(1)
第 3回 10月19日. 結晶構造(2)
第 4回 10月26日. イオン固体の熱的性質
第 5回 11月 2日. 固体の電子構造
第 6回 11月 9日. 酸化と還元(1)
第 7回 11月16日. 酸化と還元(2)
第 8回 11月21日. 固体化学(1)
第 9回 11月30日. 固体化学(2)
第10回 12月 7日. 固体物性(1)
第11回 12月14日. 固体物性(2)
第12回 12月21日. ランタノイドとアクチノイド
第13回 1月11日. ナノ材料・ナノテクノロジー(1)
第14回 1月25日. ナノ材料・ナノテクノロジー(2)
第15回 2月 1日. まとめ
田中,平尾,北川訳「シュライバー・アトキンス無機化学(上・下)」第4版,東京化学同人(2008)ISBN978-4-8079-0668-0.おもに,第3章,第5章,第22~25章の内容を講義します.
受講者は無機化学第一(工)・第二(工)・第三(工)を履修し,その内容を理解していることを前提として講義を行います.固相の状態図や量子力学の基礎的な知識も要します.
成績評価は,小テストと期末試験により行います.
これまでに学んだ無機化学の基礎は,卒業研究で実践的に活用することでその有用性を実感することになります.本講義がその橋渡しとなることを望んでいます.
大岡山南1号館605号室.内線2145,e-mail: aohtomo[at]apc.titech.ac.jp
月~金曜日の午前10時~午後5時.