欠陥の動力学   Kinetics of Defect and Diffusion in Solid

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担当教員
田中 順三  篠﨑 和夫 
使用教室
金5-6(南7-201)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5911
シラバス更新日
2012年4月12日
講義資料更新日
2012年4月12日
アクセス指標
学期
前期  /  推奨学期:5

講義概要

I 無機材料の性質や製造プロセスを理解するのに必要な固体反応に関する動力学を体系的に整理し,欠陥,拡散,固相反応,焼結について述べる。単なる知識の習得ではなく,実験・研究や実際の現場で応用できるようにすることを第一に考えている。熱力学,化学反応動力学が学習しておくことが望ましい。
II 1. 格子欠陥 2. 拡散 3. 固相反応(固・気・固・液・固・固反応) 4. 焼結

講義の目的

無機材料の性質や製造プロセスを理解するのに必要な固体反応に関する動力学を体系的に整理し,欠陥,拡散,固相反応,焼結について述べる.単なる知識の習得ではなく,実験・研究や実際の現場で応用できるようにすることを第一に考えている.熱力学,化学反応動力学を学習しておくことが望ましい.

講義計画

01. 概論・格子欠陥(1):欠陥の種類、欠陥と結晶構造、欠陥とその表示法
02. 格子欠陥(2):欠陥の熱力学、簡単な欠陥方程式、欠陥の会合
03. 格子欠陥(3):欠陥方程式の応用、ジルコニアの欠陥、欠陥と電気物性
04. 拡散(1):拡散機構、拡散係数と移動度、非定常流拡散、数学的解析法
05. 拡散(2):ハロゲン化アルカリや金属酸化物における拡散、イオン電導と拡散
06. 拡散(3):拡散と固体構造、表面・粒界拡散、固体物性と拡散
07. 欠陥の構造と機能:ミニテスト
08. 固相反応(1):固相反応の熱力学と動力学
09. 固相反応(2):固相反応のメカニズム
10. 固相反応(3):平面反応の動力学、酸化反応、加成反応、トポ化学反応
11. 固相反応(4):粉体反応の特徴、反応の律速段階、ヤンダーの式 .
12. 焼結(1):界面の熱力学、固相焼結、液相焼結、反応焼結 .
13. 焼結(2):曲界面に働く力、焼結機構、微構造の変化 .
14. 焼結(3):各種焼結機構とそれらの焼結速度式 .
15. 焼結(4):焼結の最前線、焼結の諸因子.

教科書・参考書等

教科書:無機材料化学I,標準応用化学講座24,野田稲吉編,加藤悦朗,中 重治 ,野田稲吉著,コロナ社(1977)

参考書:Introduction to Ceramics, second ed., W.D.Kingery et al.著, John Wiley & Sons (1976)
   [セラミックス材料科学入門,小松他訳,内田老鶴圃(1980)]

関連科目・履修の条件等

物理化学の基礎を理解しておいて欲しい.特に化学反応動力学を履修していることが望ましい.

成績評価

期末試験点,出席点,レポート点等で総合的に評価する.

担当教員の一言

多くの努力によりしだいにセラミックスを諸君の思い通りに制御することができるようになりつつある.セラミックスの種類は無限であるが自然のルールの数はわずかである.その意味で非常に重要な講義である.

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