結晶化学   Crystal Chemistry

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担当教員
鶴見 敬章  武田 博明 
使用教室
火7-8(南7-201)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5904
シラバス更新日
2009年9月28日
講義資料更新日
2009年9月28日
学期
後期  /  推奨学期:4

講義概要

I 本講義は,前期の固体物理学第1で学んだ結晶の対称性を基に,結晶における回折,構造因子,X線強度について解説した後,結晶構造を決める基本原理,無機化合物の典型結晶構造について解説する。
II X線の性質,回折-ラウエとブラッグの条件,多重度因子と吸収因子,ローレンツ・偏光因子,構造因子と消滅則,X線強度の計算法,化学結合による物質の分類,球の充填,ポーリングの法則,AX型化合物の構造,AX2型およびA2X3型化合物の構造,ペロブスカイト型,スピネル型構造,ケイ酸塩の構造,構造の不完全性(点欠陥,線欠陥,双晶)

講義の目的

本講義では,前学期の固体物理学第1で学んだ結晶学を基に,構造を調べる方法および無機化合物の結晶構造について学ぶ.本講義の前半では,粉末X線法を中心にその回折強度を求める上で関係する諸因子について解説する.後半では,結晶構造を陰イオンの最密充填様式と配位多面体の連結様式などの結晶化学の基本的考え方を習得し,結晶構造と物性との関係について学ぶ.

講義計画

1.イントロダクション

2.X線の性質(連続X線,特性X線)

3.回折(Laueの条件,Braggの条件,Ewald反射球,回折装置)

4.X線回折強度(1)(多重度因子,ローレンツ-偏光因子,吸収因子)

5.X線回折強度(2)(構造因子,原子散乱因子,温度因子)

6.X線回折強度(3)(実際の計算,消滅則)

7.X線回折強度(4)(結晶子径,格子歪み,散乱強度)

8.化学結合(金属結合,イオン結合,共有結合)

9.イオン半径と配位数(イオン半径表,配位数)

10.イオンの充填とポーリングの法則(立方最密充填,六方最密充填,イオン半径比と配位数)

11.無機結晶の構造と物性(1):岩塩型,セン亜鉛鉱型,ウルツ鉱型,ヒ化ニッケル型

12.無機結晶の構造と物性(2):ルチル,アナターゼ,クリストバライト,ホタル石,コランダム

13.無機結晶の構造と物性(3):ペロブスカイト,スピネル

14.無機結晶の構造と物性(4):ケイ酸塩

教科書・参考書等

「新版X線回折要論」(カリティ,アグネ)
「入門結晶化学」(庄野安彦・床次正安,内田老鶴圃)
「結晶化学」(中平光興,講談社)
「結晶化学入門」(遠藤 忠,講談社サイエンティフィク)

関連科目・履修の条件等

固体物理学第1を履修していることが必要.

成績評価

期末試験で評価する.

担当教員の一言

無機材料工学科の標準学習におけるコア科目,地学の教職科目に指定されている.

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