この講義は,最近実施された学科のカリキュラム改正で廃止になった科目ですが,材料の基礎としては重要ですので,他学科,学外の方も含めて希望者があれば,例えば,毎月1回土曜日の午後とかに(日時・曜日は希望者と相談の上,決めますが),同じ内容の講義をボランティアで開催するこができますので,希望者は,安田まで,お問い合せください.
詳細は,下記のWEBを御覧下さい.
http://www.cmc.ceram.titech.ac.jp/openlab.html
本講義のねらいは、複数の成分から成る混合物を任意の圧力および温度条件下においた時に、平衡状態で共存する相の種類とその量的関係を平衡状態図から予測できるようになることです。
実際の平衡状態図は複雑なものが多いのですが、実は、少数の原理(ギブスの相律、てこの原理、重心の法則)を正しく適用するだけで簡単な問題に還元することができます。丁度、これはユークリッド幾何学の問題を解くのと共通するところがあり、科学的な認識や態度を涵養するためには重要な経験だと思います。
複数の成分からなる混合物を任意の圧力および温度条件下においた時に、平衡状態で共存する相の種類とその量的関係を平衡状態図から予測できるようになること。
1. 平衡状態図読解の意義
2. 1成分系状態図の読解:水の状態図、シリカの状態図、ギブスの相律
3. 2成分系状態図の基礎:組成の表し方、てこの原理、全率固溶体型状態図の読解
4. 2成分系状態図の基礎:共融型状態図・合致溶融化合物型状態図の読解
5. 2成分系状態図の基礎:包晶型状態図・分解溶融化合物型状態図の読解
6. 2成分系状態図の読解:アルミナ-シリカ系での総合演習
7. ここまでの復習
8. 3成分系状態図の基礎:組成の表し方、てこの原理、重心の法則
9. 3成分系状態図の基礎:投影図としての3成分系平衡状態図、共融型状態図の読解
10.3成分系状態図の基礎:合致溶融化合物を含む状態図の読解、
等温断面図、垂直断面図の作成
11.3成分系状態図の基礎:分解溶融化合物を含む状態図の読解、
等温断面図、垂直断面図の作成
12.3成分系状態図の読解:アルミナ-シリカ-カルシア系での総合演習
13.3成分系状態図の読解:アルミナ-シリカ-マグネシア系での総合演習
14.ここまでの復習
教科書は使わずに、毎回、配布したプリントを使って講義する。なお、参考書としては、以下の3冊を推薦する。
1.山口明良著:『プログラム学習 相平衡状態図の見方・使い方』
(講談社サイエンティフィック)
2.Bergeron and Risbud著:""Introduction to Phase Equilibria in Ceramics""
(The American Ceramics Society)
3.Kingery, Bowen, Uhlmann著:""Introduction to Ceramics 2nd edition""
(John Wiley & Sons)
履修の条件ではないが、熱力学について学んであるとよい(ただし,この講義でも復習するが)
カリキュラムから外れているので,成績評価はしない
直線定規(目盛り付)、三角定規2個、四則演算のできる計算機、3色ボールペン、油性のOHPペンを各自持参してください.
kyasudaあっとceram.titech.ac.jpまでお問い合せください.