純鉄の相変態,侵入型元素の固溶,鉄と炭素の拡散係数など,純鉄の特徴を解説する。炭素鋼の熱処理過程の理解にあたって,過冷オーステナイトを知る必要があることを認識させ,各熱処理の意味を解説する。そして,合金元素を添加する意味は,周期律表をベースに考えなくてはならないことを示し,その理由を解説する。最後に,鉄鋼材料の機械的性質は組織に基づいて説明され,組織は転位と相関していることを解説する。
鉄鋼材料における平衡状態図、連続冷却変態線図、恒温変態線図の読み方を学習する。これらの知見をベースにして、鉄鋼材料における熱処理過程とミクロ組織の関連を、総合的に理解する。
1.ガイダンス
2.鉄の結晶構造と格子定数
3.純鉄における相変態
4.鉄-炭素系平衡状態図
5.炭素鋼の標準組織
6.てこの法則
7.連続冷却変態線図
8.恒温変態線図
9.マルテンサイト変態
10.マルテンサイト組織
11.ベイナイト変態
12.炭素鋼の焼きもどし過程
13.合金鋼の状態図と組織
14.合金鋼における焼きもどし過程
教科書:鉄鋼材料(日本金属学会)
特になし。
期末試験スコアに出席数を加味する。
この講義は「ミクロ組織」をテーマとしています。複雑な計算式はありません。毎回出席して、集中して講義を聴けば必ず理解できます。過去の結果を見ますと、期末試験スコアは出席数に比例しています。