金属材料をはじめとする固体の変形を考えるためには,応力とひずみを理解することが必要になる。本講義ではこの応力とひずみについて,最も基礎的な事項から説明する。応力は単位面積あたりの力に,ひずみは長さの変化分ともとの長さの比に関係する量であるが,それらが多くの成分を持つ量,テンソルであることの理解を目的とする。座標変換による応力やひずみの成分の変化についての説明を含め,弾性変形における応力とひずみの関係,フックの法則までを扱う。
1 はじめに
2 応力とひずみ(成分を考えない場合)
3 テンソル量としての応力
4 応力の諸性質
5 ベクトル成分とテンソル成分の座標変換
6 変形勾配とひずみ
7 フックの法則