物理化学(工)第一 a   Physical Chemistry I

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担当教員
安藤 慎治 
使用教室
木3-4(S423)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
6109
シラバス更新日
2013年4月9日
講義資料更新日
2013年4月9日
アクセス指標
学期
前期  /  推奨学期:3

講義概要

化学第一,第二に続く物理化学の講義で,量子論とそれを基礎とした原子構造と原子スペクトルおよび分子構造について解説する。

講義の目的

化学第一,第二に続く講義で,量子論とそれを基礎とした原子構造と原子スペクトルおよび分子構造について解説します. 講義の主要部分は,量子論の根幹をなす主要な概念の理解を目的としており,これまでの物理化学と大きく異なる分野なので,教科書や参考書を良く読んで,自分なりの概念をアタマの中に構築することが大切です.教科書だけでの理解が困難であれば、量子力学の入門書を読むのも有効です.

講義計画

0. 序論 物理化学(特に量子論)を学ぶ意味は何か? (4月12日)
8-a. 量子力学の起源 (4月12日+19日)
 8-1 古典物理学の破綻, 8-2 波と粒子の2重性 
8-b. 微視的な系の力学 (4月26日)
 8-3 シュレディンガー方程式, 8-4 波動関数のボルンの解釈 
8-c. 量子力学的原理 (5月10日)
 8-5 波動関数に含まれる情報, 8-6 不確定性原理とは何か, 8-7 量子力学の基本原理
9-a. 並進運動 (5月17日)
 9-1 箱の中の粒子, 9-2 二次元・多次元運動, 9-3 トンネル現象
9-b. 振動運動 (5月24日)
 9-4 エネルギー準位, 9-5 波動関数
(高分子学会のため5月31日は休講:中間試験のための自習)
9-c. 回転運動 (6月7日)
 9-6 二次元の回転(環上の粒子), 9-7 三次元の回転, 9-8 スピン, 9-d.近似の手法(範囲外)
☆ 中間試験 (6月14日): 範囲は 9-8まで
10-a. 水素型原子の構造とスペクトル (6月21日)
 10-1 水素型原子の構造, 10-2 原子オービタルとエネルギー, 10-3 分光学的遷移と選択律
10-b. 多電子原子の構造(6月28日)
 10-4 オービタル近似, 10-5 つじつまの合う場のオービタル(範囲外)
10-c. 複雑な原子のスペクトル (6月28日)
 10-6 量子欠損とイオン化極限(範囲外), 10-7 一重項と三重項,
 10-8 スピン-軌道カップリング(範囲外), 10-9 項の記号と選択律(範囲外)
11-a. ボルン-オッペンハイマー近似 (7月5日)
11-b. 原子価結合法 (7月5日+7月12日)
 11-1 等核二原子分子, 11-2 多原子分子
11-c. 分子軌道法 (7月19日)
 11-3 水素分子イオン, 11-4 等核二原子分子, 11-5 異核2原子分子
11-d. 多原子分子の分子オービタル(範囲外)
 11-6 ヒュッケル近似, 11-7 計算化学, 11-8 分子の性質の予測

教科書・参考書等

アトキンス「物理化学」第8版 (上巻) (東京化学同人)

関連科目・履修の条件等

教科書の付録A2(数学的な取り扱い)と付録A3(物理学の基本概念)について復習をしておくこと.

成績評価

中間試験と期末試験による(単位取得希望者は両試験とも必ず受験のこと).出席点はないが、講義中の課題について説明した学生は加点する.

担当教員の一言

原子,分子の関与する物理的性質,化学的性質および諸現象を理解するために必須の学問なので,教科書の予習と演習問題をできるだけ自分でやってほしい.講義の範囲が広く、かつ内容が多いため,章末問題を自分で解いてみて,教科書ガイド(アトキンス物理化学:問題の解き方)を見ながら自習のこと.オフィスアワーを木曜日の午後1時~3時に設定するので,質問は講義後かオフィスアワーに.メール(sando@polymer.titech.ac.jp)での質問も可ですが、答えは講義中に解説します.

その他

研究室のHPに講義のスライドをアップしています.
http://www.op.titech.ac.jp/polymer/lab/sando/syllabus.htm

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