物理化学(工)第一 a   Physical Chemistry I

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担当教員
安藤 慎治 
使用教室
木3-4(S423)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
6109
シラバス更新日
2010年3月22日
講義資料更新日
2010年3月22日
学期
前期  /  推奨学期:3

講義概要

I 化学第一,第二に続く講義で,量子化学と分子構造について解説する。
II 教科書 P.W.アトキンス著「物理化学」第六版の第11-14章

1. 量子論 2. 原子構造と原子スペクトル 3. 分子構造

講義の目的

化学第一,第二に続く講義で,量子論とそれを基礎とした原子構造と原子スペクトルおよび分子構造について解説する. 講義の主要部分は,量子論の根幹をなす主要な概念の理解を目的としており,数式の展開自体はそれほど重要でない.これまでの物理化学とは大きく異なる分野であることは確かなので,教科書だけでなく関連の参考書等を良く読んで,自分なりの概念をアタマの中に構築することが大切です.

講義計画

0. 序 論-物理化学を学ぶ意味は何か?-(第1週)
1. 量子論の序論と原理(第2週)
 1-1 古典物理学の破綻、1-2 波と粒子の2重性 
2. 微視的な系の力学(第3週)
 2-1 シュレディンガー方程式、2-2 波動関数のボルンの解釈 
3. 量子力学の原理(第4週)
 3-1 波動関数に含まれる情報、3-2 不確定性原理とは何か
4. 並進運動(第5週)
 4-1 箱の中の粒子、4-2 二次元運動、4-3 トンネル現象
5. 振動運動(第6週)
 5-1 エネルギー準位、5-2 波動関数
6. 回転運動(第7週)
 6-1 二次元の回転、6-2 三次元の回転、6-3 スピン
7. 水素型原子の構造とスペクトル(第8週)
 7-1 水素型原子の構造、7-2 原子オービタルとそのエネルギー、7-3 スペクトル遷移と選択率
★ 中間試験(第9週)範囲は1-1 から 6-3まで
8. 多電子原子の構造(第10週)
 8-1 オービタル近似、8-2 つじつまの合う場(範囲外)
9. 複雑な原子のスペクトル(第10週)
 9-1 量子欠損とイオン化極限、9-2 一重項と三重項、9-3 スピン-軌道カップリング(範囲外)
9-4 項の記号と選択律(範囲外)
10. ボルン-オッペンハイマー近似(第11週)
11. 原子価結合法
 11-1 水素原子、11-2 等角二原子分子、11-3 多原子分子
12. 分子軌道法(第12・13週)
 12-1 水素分子イオン、12-2 二原子分子の構造、12-3 記号の説明(範囲外)、
12-4 異核2原子分子
13. 多原子分子の分子オービタル(第13週)
13-1 ウォルシュ図(範囲外)、13-2 ヒュッケル近似、13-3 固体のバンド構造(範囲外)
★ 期末試験(第14週)範囲は7-1 から 13-2 まで

教科書・参考書等

アトキンス「物理化学」第6版 (上巻) (東京化学同人) (H22年より第8版)

関連科目・履修の条件等

特になし

成績評価

中間試験と期末試験による(単位取得希望者は両試験とも必ず受験のこと).出席点はないが、講義中の課題について説明した学生は加点する.

担当教員の一言

原子,分子の関与する物理的性質,化学的性質および諸現象を理解するために必須の学問なので,教科書の予習と演習問題をできるだけ自分でやってほしい.講義の範囲が広く、かつ内容が多いため,講義時間中に演習の時間をとることは難しい.章末問題を自分で解いてみて,下記の回答を見ながら自習のこと.もし、教科書やガイドの説明がわからなければ,まず友人と議論しよう.オフィスアワーを金曜日の午前10時~正午に設定するので,質問は講義後かオフィスアワーに.メールでの質問も可だが、答えは講義中に解説する.

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