I 物理化学(工)第一に続く講義で,分子運動と反応化学について解説する。
II 教科書 P.W.アトキンス著「物理化学」第六版の第1章1・3気体の運動論モデルと下記の24~28章
24. 運動する分子 25. 化学反応速度 26. 複雑な反応の速度 27. 反応の分子動力学 28. 固体表面の過程
物理化学(工)第一の次の段階として、物理化学の基礎となる「分子運動」と「反応化学」などの動的過程を記述する物理化学的手法を理解する。教科書としてP. W. アトキンス著「物理化学 下」第6 版を用い、その第24-29 章に対応する下記の項目について講義する。
1.運動する分子
気体の分子運動、液体中の運動
2.化学反応速度
実験的な化学反応速度論、速度式の解釈
3.複雑な反応の速度
連鎖反応、重合の速度論、触媒作用と振動
4.反応の分子動力学
反応性の出会い、活性錯合体理論、分子衝突の動力学
5.固体表面の過程
表面の成長と構造、吸着度、表面における触媒作用
6.動的電気化学
電極における過程、電気化学過程、電力の生産と腐食
P. W. アトキンス著、千原秀昭・中村亘男訳、「物理化学 下」第6 版、東京化学同人(2001)
中間ならびに期末試験により評価する。講義中に行う小テストならびに出席も考慮する。
物理化学は、有機化学ならびに無機化学の双方を理解、説明するための基盤となる学問です。例として用いる物質が理解を助けるために単純なものが多く、実際の化学と隔たりを感じるときもありますが、この学問を体系として理解・消化しておくことがどの方面での研究でも大きな助けとなります。