本講義は副題を「ラマヌジャングラフ入門」とし、12月8日(火)〜11日(金)の間集中講義形式で開講する。履修希望者は初回12月8日(金)5・6時限の講義に必ず出席すること、なお場所は追って指定する。
ラマヌジャングラフとは、グラフをネットワークとして見たときに(ある意味で) 最良のものを与えるグラフである。それゆえグラフ理論や計算機科学など応用数学の分野において重宝されていたが、最近では数論、群論、幾何など純粋数学の分野でもその重要さが認識されている。この講義では、まずラマヌジャングラフの基本的な性質について説明し、その最初の明示的な例である Lubotzky, Phillips, Sarnak によって構成されたラマヌジャングラフの無限族について解説する。
ラマヌジャングラフの性質を理解し、それがどのような意味で良いグラフであるかを説明できるようになる。
(1) グラフ理論の初歩
(2) ラマヌジャングラフの基礎
(3) ラマヌジャングラフの構成
(4) 最近の話題
教科書:
[1] G. Davidoff, P. Sarnak and A. Valette,
Elementary number theory, group theory, and Ramanujan graphs.
London Mathematical Society Student Texts, 55. Cambridge University Press, Cambridge, 2003.
参考書:
[2] M. Krebs and A. Shaheen,
Expander families and Cayley graphs. A beginner's guide.
Oxford University Press, Oxford, 2011.
[3] P. Sarnak, Some applications of modular forms.
Cambridge Tracts in Mathematics, 99. Cambridge University Press, Cambridge, 1990.
[4] A. Terras,
Zeta functions of graphs. A stroll through the garden.
Cambridge Studies in Advanced Mathematics, 128. Cambridge University Press, Cambridge, 2011.
線形代数および群論の初歩は仮定する。
出席状況とレポートにより総合的に評価する。
分からないことがあったら積極的に質問してください。