化学総合実験第三   Advanced Chemistry Laboratory III

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担当教員
植草 秀裕  石谷 治  岡田 哲男  小國 正晴  川口 博之  尾関 智二  小松 隆之  長谷川 健  大塚 拓洋  関根 あき子  原田 誠  森本 樹  石田 豊  辰巳 創一  畑中 翼 
使用教室
火5-6(H135)  木5-6(H135)  
単位数
講義:0  演習:0  実験:2
講義コード
5423
シラバス更新日
2010年9月20日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:6

講義概要

I 無機化合物の合成実験を通じて,合成並びに精製の原理と技術を学習する。また,分離操作を加味した分析化学的方法の学習,およびX線回折法による結晶構造・結晶相反応の解析方法を学習する。
II 1. キレート錯体の光学分割 2. カルボニル化合物のIR 3. 低酸化金属錯体の合成 4. 配位子置換反応 5. 溶媒抽出 6. 原子吸光分析 7. ボルタンメトリー 8. ポテンシオメトリー 9. 誘電緩和測定 10. 熱分析 11. ゼオライトの触媒作用 12. 粉末X線回折法 13. 単結晶X線回折法 14. 結晶相反応 15. 結晶構造解析法 16. 磁気分析
17. その他

講義の目的

1.試料溶液中に含まれる化学物質について種々の分析機器を用いた定量を行うことで、専門的な分析法を学習する。
2.無機化合物の合成・反応実験を通して、合成、精製の技術を習得するとともに、構造と反応の一般的性質の原理を理解する。
3.X線回折法による結晶構造決定の手法と、結晶内化学反応について学習する。
4.無機化合物の触媒作用を理解する

講義計画

(1)
1. 電位差法による混合ハロゲン化物の定量
2. イオン対抽出による界面活性剤の定量
3. スペクトル解析
4. 誘電緩和
5. 示差走査熱分析
6. ボルタンメトリー
7. 比色分析

(2)
3種類の遷移金属錯体の合成・単離法を学ぶ。それらの物性を測定解析することにより、その理論的背景を合わせて学ぶ。
具体的には以下の内容を、基本的には2人一組で行う。
1. Λ,Δ-[Co(en)3]I3-H2Oの合成と光学分割および分光学的性質
2. 空気中で不安定なCr(CH3COO)2の合成と磁化率
3. [Co(NH3)5Cl]2+の配位子置換反応
4. 金属カルボニル錯体Mo(CO)4bpyの合成と赤外分光

(3)
1. 粉末X線解析:簡単な無機化合物について、粉末X線解析法みよる格子定数の決定や未知試料の定性分析をおこない、
X線 回析に関する理解を深める。
2. 単結晶によるX線回析:有機物単結晶のX線回析データの指数付け・強度積分を経て結晶構造解析により実際に分子
構造・結晶構造を得ることができる。
3. コバロキシム錯体の合成とその固相光化学反応:金属一炭素結合をもつコバルト錯体を合成し、可視光照射による
固相光異性化反応とその反応速度について考察する。

(4)
1. ゼオライトの固体酸触媒作用と分子ふるい機能:ゼオライトを酸触媒として酢酸エチルの加水分解反応を行い、
塩基分子による被毒効果から分子ふるい機能について考察する。

教科書・参考書等

化学科無機・分析化学部門編 「無機・分析化学実験」
Advanced Inorganic Chemistry F. A. Cottonら John Wiley & Sons, INC.
プリント

関連科目・履修の条件等

「化学基礎実験第一」を履修しておくこと。化学総合演習第三は実験内容に沿った演習が行われ、互いに補う関係にあるので、履修を勧める。

成績評価

平常の実験態度とレポートを総合して評価する。

担当教員の一言

一部の実験ではテーマの選択が可能である。実験の結果を互いに発表することで総合的な分析力を高めよう。

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