生物物理学概論   Introduction to Biophysics

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担当教員
松下 道雄  林 宣宏 
使用教室
金1-2(H103)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5221
シラバス更新日
2015年4月9日
講義資料更新日
2015年3月16日
学期
前期  /  推奨学期:7

講義概要

Ⅰ.あまりに複雑で神秘的にさえ見える生命現象も、分子レベルの微視的な素過程まで突き詰めると各々は単純な物理現象で成り立っている。しかし、それらが複合的かつ融合的に作動するとき、複雑さが単に増加するだけにとどまらず、質的に異なる“物理現象”が生まれ、それこそが生命の本質である。生物物理学は、長大な時間の流れの中で自然が造り上げたこの究極の物理現象を扱う。本講義では、生物物理学による生命の新たな描像を解説するとともに、物理学の手法でどのように生物の本質に迫るのかを概説する(林)

Ⅱ.生命を維持するためには、絶えず外界についてのさまざまな情報を取り込み、それらに対応していかねばならない。多細胞生物では、外部刺激を受け取る受容体細胞と、それを体内のいろいろな部位へ伝える神経細胞がその役割を担っている。ここでは外部刺激として光を例に取りあげて、受容体と神経について、分子レベルで分かっている内容を紹介する(松下)。

講義の目的

生物物理学は、生命現象を物理学の“目”で捉えようとする学問である。物理学の進展に伴い、生物物理学の研究手法も大きく拡がった。特に、生命活動について、分子レベルでのさまざまな実験・観察が可能になり、個々の素過程についての分子レベルの理解が驚異的な速さで進んでいる。その先に生命を完全に理解し、自在に操る時がくるのだろうか?この永遠の問いに答える手がかりとなる知識を提供したい。

講義計画

(松下)
4月10日(金)から5月29日(金)までの7回の予定
1.神経細胞と活動電位
2.活動電位の伝播とイオンチャネル
3.細胞間の信号伝達
4.感覚受容
5.視覚における感度と信号増幅

(林)
6月5日(金)から7月17日(金)までの7回の予定
1.Introduction:生体分子総覧
2.タンパク質分子の機能構造の成り立ち
3.核酸分子の機能構造の成り立ち
4.生体分子を観るための段階的アプローチ;円偏光2色性、SPR、質量分析、溶液X線/中性子線散乱、NMR
5.生物物理による生命現象の理解(ケーススタディ):生体膜マイクロドメインにおけるシグナル処理の分子機構

教科書・参考書等

*

関連科目・履修の条件等

なし

成績評価

出席およびレポートによる

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