宇宙物理学概論   Introductory Astrophysics

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担当教員
河合 誠之 
使用教室
木5-6(H111)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5222
シラバス更新日
2010年9月27日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:6,8

講義概要

宇宙に関する知見は、観測の大規模化や最先端技術の応用により、日々拡大更新されている。本講義では、天文学、宇宙物理学に関する基礎事項および天体現象における素過程を、最先端の研究課題(ガンマ線バースト、ブラックホールの観測、宇宙や銀河の始まりなど)と関連させて紹介する。

講義の目的

宇宙は、人類にとって最も魅力的な知的対象である。その仕組みを支配しているのは普遍的な物理法則であるが、地上では実験不可能な極端な高温、強重力、大きさ、時間に法則を適用することになる。一方、直接手を下して実験条件を変えられないため、研究手法も普通の物理学研究とは異なる。この講義では、ガンマ線バーストという宇宙現象を特に題材にとって、さまざまな宇宙物理学の研究手法や概念、物理過程を学ぶ。

講義計画

1.導入、γ線バーストの紹介
2.宇宙の距離の測り方
3.恒星の構造、進化、元素合成
4.恒星の死と残骸:超新星、超新星残骸、宇宙線
5.星の種族と分類、星形成と星間物質
6.中性子星、パルサー、マグネター、X線バースト
7.ブラックホールと降着円盤
8.X線・γ線観測衛星と地上観測装置
9.宇宙ジェットと超光速火の玉
10.宇宙の始まりと宇宙背景放射
11.宇宙初期の星と銀河
12.重力波とニュートリノの観測
13.未解明の問題

教科書・参考書等

教科書は用いない。必要な資料は配付する。
<参考書>
岡村定矩『天文学への招待』[朝倉書店]
尾崎洋二『宇宙科学入門』[東京大学出版会]
江里口良治『宇宙の科学』[東京大学出版会]
高原文朗『宇宙物理学』[朝倉書店]
桜井邦朋他『高エネルギー宇宙物理学』[朝倉書店]
天文学会100周年記念事業「シリーズ現代の天文学」全17巻[日本評論社]など

関連科目・履修の条件等

量子力学、熱力学、相対論を修得していることが望ましい。

成績評価

レポートまたは小テスト、期末試験により評価する。

担当教員の一言

宇宙に対する漠然とした興味ではなく、物理的対象としての宇宙の姿を理解してほしい。

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