現代物性物理   Modern Condensed Matter Physics

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担当教員
西田 信彦 
使用教室
木3-4(H112)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5218
シラバス更新日
2010年9月27日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:6,8

講義概要

講義で習った量子力学や熱統計力学をより身近なものとして理解できるように、量子力学が目で見える形であらわれている種々の物性実験をとりあげ、今までにもっている知識で理解できるうように工夫して話す。超流動、超伝導の物質波状態、レーザー冷却アルカリ原子ボース凝縮、金属固体中電子輸送現象におけるAB効果、量子電気抵抗、量子ホール効果等、また電子顕微鏡や走査トンネル顕微鏡等の電子波、トンネル効果の量子力学が直接測定原理となっている最先端の物性物理実験についても解説する。

講義の目的

原子、分子がアボガドロ数個集まった凝縮体の物理、物性物理の入門となる講義である。物質のマクロな性質はそれを構成する多数の原子、分子、電子のミクロな運動状態によって決まる。現在、物性物理実験の研究手法は非常に進歩し、実験室において温度、磁場、圧力等はときに自然界にない極端条件も作れ、また、物質中の1原子を直接観測することや、電子状態を原子長空間分解能で測定することが可能になっている。先端の物性測定技術実験で、講義で習った量子力学や統計力学における、トンネル効果、零点運動、フェルム縮退、ボーズ-アインシュタイン凝縮等が、現実の現象としていかに現れ、また観測されるかについて話す。特に、超伝導、超流動現象、電気抵抗の量子化等を紹介する。

講義計画

1.現代物性物理のはじまり
2.目に見える量子現象 
・超流動ヘリウム-量子液体と熱力学第3法則、超流動、素励起
・ボーズ・アインシュタイン凝縮
・超伝導-基本的性質、マイスナー効果、磁束の量子化
・電気抵抗の量子化 -金属中のAB効果、量子抵抗
3.極限物性実験技術
・超低温、ナノサイエンス技術、粒子線

教科書・参考書等

講義用プリントを用意する予定。

関連科目・履修の条件等

量子力学、統計物理学の基礎的な知識を必要とする。量子力学第一、熱・統計物理学第一、第二を履修していることが好ましい。基礎固体物理学第を受講することを勧める。

成績評価

授業出席と試験により行う。

担当教員の一言

現代物性物理学の面白さを知ってもらう。

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