化学物理第一   Chemical Physics I

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担当教員
金森 英人 
使用教室
金3-4(H111)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5206
シラバス更新日
2009年7月30日
講義資料更新日
2009年7月30日
学期
前期  /  推奨学期:5

講義概要

I 分子の化学結合及び,分子と光の相互作用を量子力学に基づいて理解する。
II 1. 多電子系原子 2. 2原子分子の結合 3. 分子の振動・回転の量子状態 4.光の吸収と発光
 5. 分子の光励起と緩和過程

講義の目的

原子・分子の挙動は構成要素である核子と電子の運動方程式(schrodinger's eq.)で記述されるが、時間を
含まない定常状態ですら、解析的に解くことは困難である。対称性を考慮した適切な近似を導入することによって、
本質を外すことなく現実の分子の定常状態(構造)とその時間変化(遷移)を理解することを目的とする。

講義計画

1.多電子原子
   1中心多電子問題
   電子スピンを含む角運動量の合成と固有状態
2.二原子分子
   2中心多電子問題
   分子における化学結合の本質、電子状態
3.分子の振動と回転の量子状態
   等核二原子分子の核スピン量子統計
4.光の吸収と発光
   光の吸収、誘導放出と自然放出、ラビ振動
5.分子の光励起状態と緩和過程
   電子・振動・回転スペクトル
   レーザー

教科書・参考書等

教科書は用いない。

参考書等
P. Atkins and J. De Paula, ”Physical Chemistry” (Oxford)
同邦訳、アトキンス「物理化学」上・下(東京化学同人).

関連科目・履修の条件等

量子力学第一に引き続き、量子力学第二と平行して履修することが望ましい。

成績評価

期末試験の素点を、期限までに提出された小レポートで補正評価する。
追試験等の措置はとらないので単位が必要な人は注意のこと

担当教員の一言

原子・分子の性質の微視的な理解の歴史は、量子力学の誕生と深く関わっています。
量子力学の理解を深めるために、量子力学が最も良く適用する身近な系として、原子・分子の題材を提供します。

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