I 分子の化学結合及び,分子と光の相互作用を量子力学に基づいて理解する。
II 1. 多電子系原子 2. 2原子分子の結合 3. 分子の振動・回転の量子状態 4.光の吸収と発光
5. 分子の光励起と緩和過程
原子・分子の挙動は構成要素である核子と電子の運動方程式(schrodinger's eq.)で記述されるが、時間を
含まない定常状態ですら、解析的に解くことは困難である。対称性を考慮した適切な近似を導入することによって、
本質を外すことなく現実の分子の定常状態(構造)とその時間変化(遷移)を理解することを目的とする。
1.多電子原子
1中心多電子問題
電子スピンを含む角運動量の合成と固有状態
2.二原子分子
2中心多電子問題
分子における化学結合の本質、電子状態
3.分子の振動と回転の量子状態
等核二原子分子の核スピン量子統計
4.光の吸収と発光
光の吸収、誘導放出と自然放出、ラビ振動
5.分子の光励起状態と緩和過程
電子・振動・回転スペクトル
レーザー
教科書は用いない。
参考書等
P. Atkins and J. De Paula, ”Physical Chemistry” (Oxford)
同邦訳、アトキンス「物理化学」上・下(東京化学同人).
量子力学第一に引き続き、量子力学第二と平行して履修することが望ましい。
期末試験の素点を、期限までに提出された小レポートで補正評価する。
追試験等の措置はとらないので単位が必要な人は注意のこと
原子・分子の性質の微視的な理解の歴史は、量子力学の誕生と深く関わっています。
量子力学の理解を深めるために、量子力学が最も良く適用する身近な系として、原子・分子の題材を提供します。