数学特別講義E第二   Lecture on Advanced Mathematics E II

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担当教員
中西 賢次 
使用教室
集中講義等   
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5179
シラバス更新日
2015年10月5日
講義資料更新日
2015年9月16日
学期
後期  /  推奨学期:8

講義概要

 

講義の目的

様々な物理現象に現れる非線形波動の様相を、偏微分方程式の解として
純粋数学的に解析・分類・予測する手法について、古典的な考え方から
最近の進展の一部まで縦断的に解説する。
非線形波動方程式の解は、波動が空間的に広がる効果(分散性)と、
振幅を増幅する非線形効果との競合により、散乱・爆発・ソリトンなど
様々な大域挙動を示す。
講義では、まず3つの典型的な解とその解析手法をペアとして順に紹介し、
最後に異なる解の関係や分類について考察する。

講義計画

以下の項目順に講義する。但し出席者の理解度や要望に応じて変更する可能性がある。

1.概説
2.初期値問題と解の爆発
3.変分法と基底状態ソリトン
4.時空評価と散乱理論
5.時空大域挙動の分類

教科書・参考書等

教科書は使用しない。参考書として以下を挙げる。
[1] 堤誉志雄「偏微分方程式論」2004, 培風館.
[2] Thierry Cazenave “Semilinar Schrodinger Equations” 2003, AMS.
[3] Terence Tao “Nonlinear dispersive equations” 2006, AMS.
[4] Kenji Nakanishi, Wilhelm Schlag “Invariant manifolds and
dispersive Hamiltonian evolution equations” 2011, EMS.

関連科目・履修の条件等

ルベーグ積分、関数解析、フーリエ変換の基礎知識があれば理解し易い。

成績評価

レポートと出席により評価する。

担当教員の一言

数学の基礎的講義では知識を万全にして次へ進むというパターンが多いですが、
現実問題、未知領域ではそうは行きません。この講義では実際の数学研究において、
殆ど何も分からない状況で僅かな情報の断片を如何にして組み上げるか、
という所をお伝えできればと思います。

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