数学特別講義D第一   Lecture on Advanced Mathematics D I

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担当教員
後藤 竜司 
使用教室
集中講義等   
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5178
シラバス更新日
2015年5月29日
講義資料更新日
2015年3月16日
学期
前期  /  推奨学期:7

講義概要

講義の題目: 一般化された複素多様体と変形理論 

講義の目的

リッチ曲率が零となるアインシュタイン多様体と最近導入された
一般化された複素構造を中心に幾何学の基礎的な考え、手法を解説する.
リッチ曲率が零となるアインシュタイン多様体はホロノミー群により、次の四つのクラスに分類される.

1.カラビーヤオ多様体、2. 超ケーラー多様体、3. G_2多様体、4. Spin(7) 多様体

これらアインシュタイン多様体の幾何はスペシャル幾何と呼ばれ、最近急速に研究が進んでいる.
この講義ではこれらアインシュタイン多様体の基本的な性質、構成
そして変形理論などについて解説する. さらに 一般化された複素多様体に話を進める.
一般化された複素構造は通常の複素構造とシンプレクティック構造を統一的に扱うため導入された幾何構造である.
一般化された複素構造のアイデアは多様体の接束と余接束を同時に扱うというシンプルなものあり, ポアソン構造,
ノンケーラー多様体, 数理物理など、様々な分野と深く関連しながら, 研究が進展している.
講義では、一般化された複素多様体について基礎的な部分から始め、最近の進展まで触れる予定である.

講義計画

1. リーマン多様体、ケーラー多様体の基礎、
2. カラビーヤオ多様体、超ケーラー多様体、
3. シリンダー型境界およびコーン型境界を持つ多様体上のモンジューアンペール方程式
4. G_2多様体と Spin(7) 多様体の構成
5. 一般化された複素構造と一般化されたケーラー構造
6. ポアソン構造と一般化された複素構造
7. 4次元多様体上の一般化された複素構造
8. 一般化された複素構造の変形理論(一般化された倉西族)
9. 一般化されたケーラー構造の安定性と双エルミート構造

教科書・参考書等

講義のときに紹介する.

関連科目・履修の条件等

講義は最初のシンプルなアイデアの導入から始めますので, 予備知識としては, 多様体, ベクトル場, 微分形式などを
知っていれば理解できるように始めます.

成績評価

出席、レポートなどで総合的に判断する.

担当教員の一言

一般化された複素多様体の研究はまだ始まったばかりであり、未踏の分野といえますが、
様々な興味深い現象が現れてきて、これからの発展が楽しみな研究分野です.
講義の内容は時間の関係上変更することがあります.

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