数学特別講義C第二   Lecture on Advanced Mathematics C II

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担当教員
角 大輝 
使用教室
集中講義等   
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5173
シラバス更新日
2015年10月5日
講義資料更新日
2015年9月16日
学期
後期  /  推奨学期:8

講義概要

 

講義の目的

複素関数論続論・リーマン面論入門・複素力学系入門の講義を行い、
カオス力学系理論(カオスとは物事が時間とともに変化していくとき、
予測不可能とも思える複雑なふるまいをすることで、自然現象の記述の
数理モデルでよく現れる)、フラクタル解析学・フラクタル幾何学(フラクタルとは
細部を拡大すると全体と似る面白い複雑図形のことで、樹木やカリフラワーなど
自然界に多くある)にも触れる。
まず複素関数論の復習をし、その続きの内容を学ぶ。
さらにリーマン面(1次元複素多様体)論の初歩を導入して、それを用いて
リーマン球面上の有理関数の写像の合成を積とする半群の力学系を学ぶ。
これにより、
(1)通常の複素力学系(一つの有理関数による漸化式の話、カオス理論に関係)、
(2)クライン群(一次分数変換の群で、離散的なもののリーマン球面への作用、
複素関数論と2・3次元双曲幾何学に関係)、
(3)相似縮小写像の反復関数系(フラクタル幾何学)
の内容の入門を同時に学ぶことができる。
また、ランダム複素力学系(複数の有理関数を用意し、それらを毎回確率的に
選択して点を動かしていくシステム)の入門も行い、そこで自然に現れる複素平面上の
特異関数(複素平面上で連続だが細いフラクタル集合上でみ変化する関数)などの
最先端の話題にも触れる。

講義計画

(1)複素関数論の復習 コーシーの積分公式、開写像定理、最大値原理、など
(2)複素関数論続論 シュワルツの補題、ワイエルストラスの定理(領域上の正則関数列が
一様収束したら収束先の関数も正則で、微分もこめて収束すること)、偏角の原理、
正規族、リーマンの写像定理、など
(3)リーマン面論の初歩 被覆写像、単連結リーマン面の分類、双曲計量など
(4)リーマン球面上の有理関数半群の力学系理論の入門 ジュリア集合の性質、
ファトウ集合上の力学系など。通常の複素力学系、クライン群論(双曲幾何学)、
等角反復関数系(フラクタル解析学・フラクタル幾何学)の3つの話題の入門を同時に学ぶ。
(5)ランダム複素力学系入門 複素特異関数などの最先端の話題に触れる。

教科書・参考書等

[1] 「Dynamics in One Complex Variable」J. Milnor著、Annals of Mathematics St
udies No. 160, Princeton University Press, 2006.
[2] 「Iterations of rational functions」 A. Beardon 著、
Graduate Texts of Mathematics 132, Springer-Verlag
[3] 「複素解析」アールフォルス著、笠原乾吉訳、現代数学社.
[4] 「Lectures on Riemann Surfaces」O. Forster 著、Graduate Texts in Mathemat
ics 81, Springer, 1981.
[5] 論文 「Density of repelling fixed points in the Julia set of a rational
or entire semigroup, II」, R. Stankewitz 著、Discrete Contin. Dyn. Syst. 32 (2012), no. 7,
2583--2589. http://rstankewitz.iweb.bsu.edu/DentonRepelDense2.pdf からダウンロード可能。
[6] 論文 「Random complex dynamics and semigroups of holomorphic maps」, Hiro ki Sumi 著、
Proc. Lond. Math. Soc. (3) 102 (2011), no. 1, 50--112.
http://www.math.sci.osaka-u.ac.jp/~sumi/cofullpaper20.pdfからダウンロード可能。
[7] 「フラクタルの数理」 山口昌哉、畑政義、木上淳著、岩波講座応用数学、岩波書店、1993.

関連科目・履修の条件等

複素関数論に興味を持っていること。
必要な知識は微分積分学、集合と位相、複素関数論。

成績評価

講義内容に関連する問題に関するレポートや出席状況などにより総合的に評価する。

担当教員の一言

数学のどの分野(解析系、幾何系、代数系、応用系)の方も歓迎します。
授業後に質問を受け付けます。微分積分学、集合と位相、複素関数論を復習しておいてください。

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