微分幾何学特論第二   Topics in Differential Geometry in The Large II

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担当教員
芥川 和雄(芥川 一雄) 
使用教室
木3-4(H112)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5158
シラバス更新日
2015年10月5日
講義資料更新日
2015年9月16日
学期
後期  /  推奨学期:8

講義概要

 

講義の目的

リッチフローを通して,多様体上の幾何解析のひとつの典型的手法を学ぶ.
リッチフローは,Hamiltonにより創始・発展させられた微分幾何における一つの強力な手法である.
特に3次元多様体に関する「幾何化予想」の解決に向けたHamiltonのプログラムは力強いものであった.
この予想の完全解決を成し遂げたPerelmanのアイデアは,多岐にわたるのもであった.

中でも最大の困難の一つであった「リッチフローの局所非崩壊」を肯定的に示したアイデアは示唆に富んだものであった.
この講義では,そのアイデアの背景にある数学(Harnack不等式とエントロピー公式)に焦点を絞り,それを深く考察しPerelmanの結果(i.e., リッチフローの局所非崩壊)が(物理的にではなく)数学的に自然に見えるように解説したい.

講義計画

1. 序:リッリフローとその背景
2. リーマン計量と曲率
3. Einstein-Hilbert汎関数とリッチフロー
4. 曲率に関する発展方程式
5. 共役熱方程式と勾配リッチソリトン
6. Harnack不等式(2~3回)
7. エントロピー公式(4~5回)
8. リッチフローに対する局所非崩壊定理(2回)

教科書・参考書等

(1) 西川青季,幾何学的変分問題,岩波書店.
(2) 小林亮一,リッチフローと幾何化予想,培風館.
(3) B. Andrews-C. Hopper, The Ricci Flow in Riemannian Geometry, Lect. Notes in Math. Vol 2011,Springer, 2011.

関連科目・履修の条件等

リーマン幾何の基礎(リーマン計量・Levi-Civita接続・曲率など)の初歩を学習していることが望ましい.

成績評価

出席状況とレポートによる.

担当教員の一言

講義で証明しなかった箇所・出題した問題などを自分で考えること.

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