集合と位相第二   Set and Topology II

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担当教員
本多 宣博 
使用教室
木3-4(H137)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5002
シラバス更新日
2015年10月2日
講義資料更新日
2016年2月12日
アクセス指標
学期
後期  /  推奨学期:4

講義概要

 

講義の目的

3学期の「集合と位相第一」に引き続き,この講義では一般の位相空間論を学習する.

位相構造は,二つの集合の間の写像が連続であるという概念を定式化するために必要な数学的構造である.
距離空間においては,“近い・遠い”と言う概念が明確に定義され,写像の連続性の概念も“近い点どうしを近い点に移す”と言った具合に自然に定義された.
問題は距離構造が無い一般の場合に,写像の連続性をどう定義するかである.
距離空間の場合に,開集合という概念により,距離構造を使わずに連続の概念を表すことができた.
この観察により,連続の定義には,距離構造は必要なく,開集合の概念があればよいこととなる.

現代数学における基本的な考え方として,数学的構造を備えた集合 (object) たちとその構造を保つ写像 (morphism) たちによってひとつの数学的世界 (category) が形成される, というものがある.
ただ位相空間(集合+位相構造)の場合は,「先に射である連続写像の概念が要求され,その概念を成立させるに相応しい最小限の数学的構造である位相構造と言う概念が生み出された」と考えるのが自然である. このことを一旦理解すれば,位相構造の必然性の納得は容易であろう.

習得すべき内容のキーワードは,連続写像,分離公理,コンパクト性,連結性,完備性などである.
分離公理などの必然性なども併せて理解してほしい.

講義計画

1. 位相空間
2. 積空間と商空間
3. 位相的性質:分離公理・コンパクト性・局所コンパクト性・連結性など
4. 完備距離空間
(講義の内容や順序は状況に応じて変更することがありうる.)

教科書・参考書等

教科書: 
「集合と位相空間」森田茂之著 朝倉書店 (2002年)

参考書:
「集合と位相」内田伏一著 裳華房 (1986年)
「集合・位相入門」松坂和夫著 岩波書店 (1968年)
「トポロジーと幾何学入門」シンガー・ソープ著 (1967年) 邦訳 培風館  

関連科目・履修の条件等

 「幾何学演習A」を併せて学習申告すること.併せて申告しない場合は申告不許可とする.
ただし,「幾何学演習A」の単位を修得済みの再履修生はこの限りではない.

成績評価

成績は中間試験・期末試験および適宜取る出席状況等により総合的に評価する.

担当教員の一言

「集合と位相第一」と同様、抽象的な概念の理解と論証がメインであり、計算はあまりでてきません。
抽象度が高いため、身につけるためには十分な訓練が必要となります。

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