この分野は1962年のKodairaによる楕円曲線の退化ファイバーの研究をその源流とするが, その後多くの数学者により様々な方法が取り入れられ,現代的な複合分野として発展して来ている。
ここではその入門的な内容から始めて最近のトピックに至るまでを,多くの例を交えながらできるだけ丁寧に講義したい。
1. 超楕円的並びに非超楕円的な退化ファイバー
2. 代数曲線の退化族と複素代数曲面
3. 2重被覆の標準解消法を用いる退化楕円ファイバーの構成
4. 位相モノドロミーと精密安定還元定理
5. ファイバー芽の不変量とモジュライ写像
教科書は特に使用しませんが全般的なサーベイとして以下の2点をあげます:
(i) T.Ashikaga and K.Konno; Global and local properties of pencils of algebraic curves,
Adv.St.Pure Math.36 (2002), 1—49.
(ii) 足利正, 遠藤久顕; リーマン面の退化族の諸相, 数学 56 (2004), 49—72.
なおこれらに盛られたもの以外の参考文献は講義中に示唆します。
代数曲線の初歩, ホモロジーとコホモロジーの初歩的知識程度を仮定します。
出席, レポート