理工学を学ぶ者にとって不可欠である複素函数論を学ぶ,複素函数論とは,複素数を定義域とする函数に対する微積分学である。定義域を複素数にまで広げることにより,見通しのよい議論が可能となり,実数の範囲では複雑極まりない計算が,複素数を用いることにより,簡単な計算で得られるということすら生じる。具体的には,正則函数,冪級数と初等函数,複素積分,Cauchyの定理,留数定理,TaylorおよびLaurent展開などを学ぶ。
一年で履修した微分積分学を基礎にして,工学で広く必要とされる複素関数についての
基本的な事項を学ぶ.複素数,複素関数,複素微分,複素積分, ローラン級数,正則関数,
特異点,留数定理などについて学ぶ.
始めに複素数の性質を学ぶ.微分積分は実数上での解析であることを踏まえ,
複素数上での解析を展開するうえでの類似なところと異なる点を明らかにしながら
複素微分,複素積分などの諸概念を入れる.そして正則関数やローラン級数など
複素関数論の主な内容に入っていく.さらに特異点や留数定理など深い結果へと
進んでいく.
複素関数入門 チャーチル・ブラウン著 サイエンテイスト社
微積分の知識は必要である.
学期末の試験が基本となる. ただし,レポートは提出してもよい.