多変数正則関数論の関するいくつかの基本的事項を解説した後、n次元複素ユークリッド空間内の有界領域の正則自己同型群の構造を調べる。特に、2つの有界な円型領域の間の双正則写像に関するカルタンの定理を示し、その応用として2次元以上の開球と多重円板とは双正則同値ではないというポアンカレーによる1907年の結果を証明する。
多変数正則関数論の関するいくつかの基本的事項を解説した後、n次元複素ユークリッド空間内の有界領域の正則自己同型群の構造を調べる。特に、2つの有界な円型領域の間の双正則写像に関するカルタンの定理を示し、その応用として2次元以上の開球と多重円板とは双正則同値ではないというポアンカレーによる1907年の結果を証明する。
1.正則関数と正則写像
2.有界領域の正則自己同型群の構造
3.開球と多重円板の非正則同値性(H. Poincareの定理)の証明
[1] R. Narasimhan; Several Complex Variables, The University of Chicago Press, 1971.
[2] R. M. Range; Holomorphic Functions and Integral Representations in Several Complex Variables, Springer-Verlag, 1986.
1変数複素関数論で学ぶ基本的な知識を仮定して講義する。
出席状況とレポートにより総合的に評価する。
この講義が有界領域の幾何学に興味を持つきっかけになれば幸いです。