数学特別講義E第二   Lecture on Advanced Mathematics E II

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担当教員
小磯 深幸 
使用教室
 
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5156
シラバス更新日
2010年11月15日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:8

講義概要

極小曲面,平均曲率一定曲面についての境界値問題を論じる.特に,解の存在と一意性,安定性(対応するエネルギー汎関数の極小値を与えるか否か),分岐理論に焦点を当てる.さらに,より一般の変分問題に対する理論の一般化についても解説する.

講義の目的

 本講義では,ユークリッド空間内の平均曲率一定(超)曲面及び非等方的平均曲率一定(超)曲面についての最近の研究から,いくつかの話題を選んで解説する.
 講義の前半では,平均曲率一定曲面(以下,CMC曲面と記す)を扱う.CMC曲面は,同じ「体積を囲む」曲面の中での面積の臨界点として特徴付けられる.CMC曲面は,同じ「体積を囲む」曲面の中で「面積極小」であるとき,安定であると言う.本講義では,主としてCMC曲面の安定性に関する問題を取り上げる.
 講義の後半では,非等方的平均曲率一定曲面(以下,CAMC曲面と記す)を扱う.CAMC曲面は,同じ「体積を囲む」曲面の中での「非等方的表面エネルギー」の臨界点であり,結晶,液晶等の数学的抽象化としても用いられる.CMC曲面はCAMC曲面の特別な場合である.本講義では,CAMC曲面の基本事項について解説した後,自由境界問題の安定解についての最近の結果及び高次元化について解説する.

講義計画

1. 平均曲率一定曲面
 1.1 平均曲率一定曲面の変分問題の解としての特徴付けと安定性に関する定義
 1.2 平均曲率一定曲面のガウス写像のエネルギー最小性
 1.3 Delaunay 曲面(平均曲率一定回転面)と平均曲率一定螺旋面
 1.4 平均曲率一定曲面の安定性
2. 非等方的平均曲率一定曲面
 2.1 非等方的平均曲率一定曲面の定義と特徴付け
 2.2 非等方的 Delaunay 曲面とその一般化
 2.3 自由境界問題
 2.4 高次元の場合

教科書・参考書等

教科書は指定しない.参考文献は講義中に紹介する.

成績評価

出席,レポートなどにより総合的に評価する.

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