ミラー対称性に関わる数学について説明する.数学的に完全な取り扱いをしようとすると大変多くの予備知識を要するので,大まかな枠組みを説明するのが半分,どこかピンポイントを定めてその点について多少の証明も付けて話すのが残りの半分とする予定.
仮想基本のモロジー類の理論と応用.
仮想基本ホモロジー類は,微分方程式の解のモジュライ空間から,不変量を引き出す方法として,1996年に現れ多くの状況で使える統一的方法ですが,実のところ未だにそれほど専門家の間でもポピュラーにはなっていません.
一方で,その内容は,多様体論プラスアルファーというべきもので,特に難しい予備知識がいる訳ではありません.
14年前には何回かこの内容を話したことがありますが,そのときは,まだ一般論より応用にすぐ向かう話しをしていました.
その結果あまり論理的に完成した形で話したことはありませんでした.
そろそろ方法論としても一般的なものにしていい気がしてきていますので,もう少しまともに講義してみたい気がします.
1.倉西構造
2.多価摂動
3.擬正則曲線
4.グロモフ/ウィッテン不変量
5.フレアーホモロジー
などのなかから適当な題材を話します.
1.Lagrangian intersection Floer theory - anomaly and obstruction - (with Oh, Ohta, Ono) Section A1.
(この節はhttp://www.math.kyoto-u.ac.jp/~fukaya/においてありただでダウンロードできます.)
2.J-holomorphic curves and Quantum Homology" (AMS Lecture Notes, 1994) (D.Mcduff-D.Salamon)
このバージョンはhttp://www.math.sunysb.edu/~dusa/においてありただでダウンロードできます.
3.シンプレクティック幾何学,深谷,岩波書店.
論理的には多様体だけで分かるはずです.(たとえば,上の1はそれしかいらないはず.)
なぜ役に立つかを話すには,いろいろ予備知識がいります.上の2ぐらいの知識があれば理想的ですが,それは仮定しません.
抽象一般論を中心にするよていなので,応用はお話としますので,いちおう予備知識は無くても何とかなるつもりです.
そのようなお話は,たとえば,3の6章の1-3にあります.
出席とレポート提出による.
多様体論をちょっとだけ難しくすると,14年経っても専門家にもなかなか分かってもらえない話になります.
それを説明したいと思います.