数学特別講義D第二   Lecture on Advanced Mathematics D II

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担当教員
小山 信也 
使用教室
 
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5154
シラバス更新日
2010年11月4日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:8

講義概要

ゼータ関数,L関数と数論的量子カオスに関する入門的講義を行う.

講義の目的

数論的量子カオスの入門的講義を行なう.そのために必要な保型形式とゼータ関数・L関数の理論について,マース波動形式を用いた入門的解説を行なう.数論的量子カオスは1992年にプリンストン大学のP.サルナックにより提唱された.研究対象は数論的多様体のスペクトルであり,目的はゼータ関数の零点の追求である.数論的量子カオスの主要テーマである量子エルゴード予想を証明したリンデンシュトラウスが2010年にフィールズ賞を受賞するなど,数論的量子カオスへの関心は高まっている.この講義では量子エルゴード性の意味を解説し,アイゼンシュタイン級数の場合の証明を詳しく扱いながら,ゼータ関数の評価との関連を述べる.

講義計画

1.マース波動形式による保型L関数入門
2.セルバーグ・ゼータ関数
3.保型形式の存在理論
4.数論的量子カオスの概要
5.量子エルゴード性

教科書・参考書等

小山信也 『素数からゼータへ,そしてカオスへ』 (日本評論社)

関連科目・履修の条件等

特別な予備知識は、不要です。

成績評価

出席、レポート

担当教員の一言

教科書の第8章,第11章,第12章,第13章,第14章を順に解説していきます.

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