実解析第一で学ぶLebesgue積分論は、微分方程式論、確率論、力学系など解析学の様々な分野に応用される。その応用の一端を紹介すると共にLebesgue積分の進んだ理論を講義する。具体的には、P次可積分関数の空間の基本的性質、Fourier変換とその応用などを解説する。
実解析第一に続いて、積分論の応用を学ぶ。
1.p-次可積分空間の基礎
・積分不等式
・完備性
・双対性
2. ユークリッド空間上の関数空間
・合成積と軟化子
・p-次可積分空間における稠密な関数族
3.Fourier 積分
・Fourier 変換と逆変換
・微分および合成積との関係
・Riemann-Lebesgue の定理
・二乗可積分空間上のFourier 変換
・熱方程式への応用
4. 複素測度
吉田伸生著「ルベーグ積分入門―使うための理論と演習」遊星社
解析概論(第一、第二)、集合・位相(第一、第二)、応用解析序論、実解析第一等を履修していることが望ましい。
内容的にはこの科目は関数解析との関連が深い。
中間試験と期末試験の結果を総合的に評価する。
将来解析系の分野を志す者は、実解析第一、関数解析とともにこの講義をぜひ履修することを勧める。